アダム・スミスの誤算 - 幻想のグローバル資本主義上

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アダム・スミスの誤算 - 幻想のグローバル資本主義上

  • 著者名:佐伯啓思
  • 価格 ¥640(本体¥582)
  • PHP研究所(2013/03発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569605357
  • NDC分類:332.06

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

100
佐伯さんのこの本は2分冊になっていて、現在のグローバル化とアダム・スミス、ケインズの著作を通じて日本や世界のグローバル化というものがどのような方向を目指そうとしているのかを分析というか備忘録のような感じがしました。前書きで佐伯さんも言っておられるように、研究書でもないし、評論・解説書でもないと言っていますがまさにその通りで、この本ではアダム・スミスの国富論と道徳感情論をかなり引き合いに出してご自分の考えをメモッたような気がします。2016/01/20

日の光と暁の藍

5
経済学の父とも言われるアダム・スミス。市場は見えざる手に導かれて自然に均衡するため自由放任すればよい、というご都合主義的なスミス解釈に異議を唱える。アダム・スミスは国民経済を重視せよと唱えたのではないか、として貨幣、富、徳、自然という概念、虚栄、同胞意識などを論じる。論点が面白いだけに、スミスの議論を現在に当てはめた分析、それに対してどうすればよいのかが語られていないことが物足りなく感じる。しかし、専門化や分業によって人々が他者の立場に身をおく想像力を失い、道徳の基礎が失われるという主張は実に興味深い。2020/12/11

スーさん

4
「経済学の父、アダム・スミスは、重商主義を批判し、神の見えざる手に象徴されるように自由市場を礼賛した。」この教科書にも書いてある典型的なスミスに対する解釈は、実は非常に矮小化されたスミス像なのである。そのことをスミスの著作や思想、当時の時代状況、そしてスミスが批判した重商主義などから読み解いていく。その先に見えてくるのは、「国民経済主義者アダム・スミス」という意外な姿だったのだ。本書は実に興味深いスミス像を読者に提示している。『国富論』といった古典にはなかなか手を出しづらい人にもオススメの一冊だ。2012/06/18

かず

3
再読。初読の際は、当時の徳性無く只欲望のみが渦巻く新自由主義に嫌悪感を持っていた私は、本書の論旨に思わず得心したものだったが、6年ぶりに読み返し、その感動は遂に蘇らなかった。なぜなら、只の懐古主義にしか思えなかったからである。各国の経済交流が盛んになり、グローバル化の流れに抗することは出来ない。また、この大衆民主主義の時代に徳などといっても空しさが残るだけだ。もし一般意志というものがあるのなら、政治的にも経済的に統合することは可能なはずだ。流れに乗りつつも自分を見失わず、徳を求めて生きたいものだと感じた。2014/07/07

えちぜんや よーた

3
第2章道徳の基盤 第3章富の変質 第4章徳の衰退 第5章経済と国家 「道徳情操論」を読んでみたい。「神の見えざる手」

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