内容説明
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに……。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
992
ホラーと云えば怪異現象、超常現象を扱った物が多い中、保険会社員が顧客に陰湿で執拗な催促に取り乱される。このどこがホラーなのだろうかと長年訝しく思っていた。そしてようやく読む段になってそれが理解できた。本書は正真正銘のホラーである。それもとても他人事は思えないほどの迫真性を孕んだ怖さがある。それはどこかにはいるであろう、少し変わった隣人が本書の元凶だからだ。自分の顧客がサイコパスであった。本書はこのワンアイデアのみと云っていいだろう。しかし物語はシンプルなものこそ面白い。本書はまさにそれを具現化した作品だ。2020/02/02
青乃108号
778
【リカ】と並んで最恐の本と紹介されていたので読んでみた。はっきり言ってこちらの方が怖い。装丁からなんとなく【霊】的な怖い本かと思っていたら違った。保険金目当ての傷害と殺人。疑いを持ち自ら調査に乗り込んだ保険会社の担当者に迫る魔の手。ラストに向けじわじわ追い詰められる恐怖は【リカ】のそれを大きく上回る。最後の10数ページが説明過多に感じられ余分に思えたのが少し残念ではある。2022/09/06
サム・ミイラ
775
これは凄い!面白い!ホラーと聞いて敬遠していたが、むしろ上質なスリラーというほうが当たっている気がする。作者にとっては二作目の作品ということで、粗筋も犯人も大方の予想はつくが、増幅する恐怖と緊張感で最後まで息つく間もなく読ませる筆力には圧倒された。どこかヒッチコックの映画のような古典的な香りのする傑作。映画も見たい。2014/09/03
absinthe
690
知らないうちに体が底なし沼に沈んでいき、気付いたらもう腰まで漬かっていたという様な恐怖感。怖いモンスターは出てこない。もっと怖いもの・・・それは本物の人間。 ハンニバルレクターも怖いが、あれが小学生並みの幼稚さだったらもっと怖いという思考実験をドラマ化したかのよう。 恐怖の演出に、恐竜もエイリアンも病原体も暴走ロボットも巨人も遺伝子改造の火星ゴキブリもいらないっ!一番怖いのは人間なんだな。2015/09/18
ehirano1
665
自己責任で読む本の類かもしれない本書(旧版の表紙は規制レベル)。緻密なキャラクター描写と人間の深層心理と悪意の描写に加え、圧倒的ストーリーテリングはもはや恐怖の渦で、ページを開いたらもうその渦の中でした。その渦の中で「完全な悪は存在する」、そう思いました。2025/02/22
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