内容説明
妻子ある有名私立大学助教授は、自分の教え子である女子大生を愛人にし、四年もの間、親密な関係を続けたが、ある日突然、窮地に追い込まれる。密会中の現場に妻子たちに踏み込まれ、言い訳する間もなく、別れを強要された男の非情な選択! 不倫、殺人、心中……。閉鎖的な象牙の塔を舞台に最も悲惨な結末を迎えた事件の意外な真相とは?
目次
プロローグ
キャンパスの愛人は美人学生
密度の濃い時間にしよう
プライベートな部屋で
恋愛は「ひっそりと激しく」
雑木林の古い別荘
教え子だった妻のプライド
妻は不倫の部屋へ乗り込んだ
別れるためには時間が必要
「先生、私をどうしてくれるの」〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ted
7
40年前の事件を元にした小説だが、粗筋は事実にほぼ忠実。事件自体は痴情の果ての殺人で珍しくもないが、加害者が助教授で被害者が教え子の学生、舞台が(その類の事件とはおよそイメージ的に遠い)ミッションスクール(立教大)で起きたことから、当時は相当スキャンダラスな事件として衝撃を与えたらしい。事件現場となった八王子市鑓水にある恩師の別荘の敷地内には現在、(流石に寝覚めが悪かったのか)礼拝堂が建てられているようだが、その由来については一言も触れていない。今後の戒めとする気が本当にあるのなら、これはいかにも不誠実。2011/08/19
gtn
5
立教大学助教授教え子殺人事件を仮名で綴ったもの。刹那的な男である。自分の将来に邪魔になり不倫相手を殺害。浮気に気が付いていた妻に勝利感を味合わせたがために、妻主導の下、家族ごと人生の幕を閉じることになる。ライフワークの英米文学が何も血肉していなかったことが分かる。2019/03/03
shiroinu
0
どこまでが事実でどこまでが創作なのかはっきりしないものの、昔こういうことがあったんだなということはよくわかった。今ならここに至るまでに懲戒処分されていると思うが。2017/12/27
ちゃびたん
0
★★★☆☆