恥と自己愛の精神分析 - 対人恐怖から差別論まで

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恥と自己愛の精神分析 - 対人恐怖から差別論まで

  • 著者名:岡野憲一郎
  • 価格 ¥3,960(本体¥3,600)
  • 岩崎学術出版社(1998/09発売)
  • ポイント 36pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784753398096
  • NDC分類:146.1

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内容説明

精神分析における恥の議論とは,多くの関心の流れが交錯して次々と網目を作るところです。恥に関する議論は,恥の文化(辱めの文化)と言われる日本においてもともと盛んでした。ただし,その発生論は,恥に対して過剰反応する日本文化の外に出た方が民俗の神経症として見えやすいのでしょう。そこには臨床体験と異文化体験という出会いが欠かせないのです。本書で引用される臨床体験は米国のものですが,それでも著者が米国にいながら,日本の読者に向けて語ることができるのは,恥が,彼の議論を通して日本と米国が出会う場所であるからなのです。本書の中に入れば,誰もが目を奪われるのが,縦横無尽に広がる著者の守備範囲の広さです。理想自己と恥ずべき自己,自己と他者,恥と罪,過敏と無関心,積極性と受け身性……これらを縦糸と横糸に,議論を編み上げる機織りの大きな回転運動を続けるのです。おそらく巡り続ける意志もまた,恥に悩まされてしまうことのない解決を示すのだという主張も,その書き方に見て取れるのです。
 岡野氏は世界を股にかける軌跡を描かれ,さまざまな出会いの中で「人にやさしい精神分析」という独特の境地を見つけられたようです。もちろんこの本は,岡野理論に出会うだけではなく,彼の思考運動の力を得て,恥をめぐる現代精神分析理論への程よい入門書にもなっています。彼にとっても,日本の臨床家にとっても,良い時期に,まとまった形で出版されることになったと思います。 北山修(「序文」より抜粋)

目次

第1部 恥と自己愛のイントロダクション(恥と対人恐怖の病理 精神分析から見た対人恐怖 ほか)
第2部 恥と自己愛をめぐる5つの精神分析的考察(恥と「過敏型」自己愛の病理 「過敏型」自己愛人格障害における罪悪感とエディプス葛藤 ほか)
第3部 恥と自己愛についての各論(臨床家の自己愛 恥と生理学 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coaf

6
筆者の気持ちや体験談が載ってて面白かった。2013/02/03

hanan

1
久々に力動。分析家ってフロイト大師匠も分析しちゃうんだナ。フロイトにとって恥ずかしいつか、かわいそう。(≧∇≦)差別論は岡野先生のカタルシスっぽい。「臨床家の論文」の記述は、なるほどと思う。2016/01/01

うえだしゆう

0
☆☆☆☆☆2017/09/06

枕流だった人

0
千葉市立図書館

みどりまん

0
他人の目が気になるから食事はできる限り家族の前か、もしくは1人がいい。外を歩くのも恥ずかしい。これは社会不安障害の中の視線恐怖なのではと思い、解決策が欲しくて読んだ。恥ずかしいという気持ちは自己をより愛するためにとった行動が想像通りにならず、本来満たされるはずの自己愛のエネルギーを手放してしまったことと言える。それはカッコイイと思われたいが故に髪を切り、想像と違って恥ずかしいと感じることとよく似ている。しかし重要なのは、他人には「他人の失敗」が見えないことである。自己愛があまりに人間を複雑にしている。2020/01/21

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