角川文庫<br> ブルース

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角川文庫
ブルース

  • 著者名:花村萬月
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • KADOKAWA(2013/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041898048

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内容説明

南シナ海の烈風。眼下で砕ける三角波。激しい時化に呻ぐ25万トンの巨大タンカーの中で、村上の友人、崔は死んだ。仕事中の事故とはいえ、崔を死に至らしめた原因は、日本刀を片手に彼らを監督する徳山の執拗ないたぶりにあった。村上を愛していた同性愛者徳山の嫉妬が、村上と親しかった崔を死に追いやったのだ。横浜・寿町を舞台に、錆び付いたギタリスト村上とエキセントリックな歌姫(ヴォーカル)綾、そしてヤクザの徳山が奏でる哀しい旋律。芥川賞作家が描く濃密で過剰な物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

95
【再読】20年近く前に夢中で読んでいたのに、しばらくご無沙汰してた作家さん。いやぁ、スゴいです、強烈です。何ていうかこの作家さんの作品は実地主義・実体験主義?話し言葉の文学?みたいな。立て続けに読んだ当時は、その暴力と性描写に圧倒されたけれど、今読むとそういったものが静かに沈んで、登場人物たちの哀しみだけが立ち昇ってくる。彼の作品がもう一冊手に入ったので、そちらも近いうちに再読してみよう。2015/04/10

眠たい治療家

68
再読。ブルースが鳴り響く。輝きを失い落ちたギタリスト・村上、魅力溢れる歌姫・綾、同性愛者のヤクザ・徳山。三者三様の旋律が交じり合いブルースを奏でる。哀しく切ない三角関係。行き場のない燃え上がった愛と嫉妬、求め合う愛と服従させる愛、暴力と性。人間の中のドロドロとした感情、情愛や嫉妬を濃密に表現している。それ故に読了後の虚無感は深かった。帯にある「たまらんぜ、萬月。何が悲しくて、こんな小説を書く。」(解説・北方謙三)ズバリそのもの。これぞ、花村文学。暴力・性的描写がある為、苦手な人は注意。心に深く残る秀作。2011/12/24

mii22.

46
まったく誰も彼も自己愛が強くて不器用で真っ直ぐでどうしようもない奴らだ。青臭いと言ってしまえばそうなんだけど...多くの犠牲を払い誰も幸せにはなれない哀しい物語だ。若い時に読めばきっと違った感想を持っただろう。男性読者は村上や徳山や綾に、カッコ良さやカッコ悪さも含めて何かしら憧れのようなものを感じるのでしょうか。熱い小説であることは間違いない。2016/06/18

TAKA

44
人には自分に合った檻がある。そして自分の檻より劣りそうな檻を見つけて胸を撫で下ろす。奴隷の檻に上下はない。階級を支えているのはなんだと思う?人間の自尊心だ。俺はアイツよりマシだと呟いて、辛うじて日々を耐えるのさ。物語はシンプルだけど内容はワイルドだった。哀愁が漂うとはこういう風に使うんだろうな。2018/03/01

背番号10@せばてん。

28
【1992_日本冒険小説協会大賞_候補】【1993_日本推理作家協会賞_候補】【1993_このミス4位】1999年2月1日読了。 あらすじは忘却の彼方。1999/02/01

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