内容説明
江戸に帰った周作は、文政二(1819)年、免許皆伝を許された。綾を娶り、浅利道場の後継者となるべき将来は約束されていた。だが流儀の改革を訴える周作と旧套を墨守しようとする又七郎との間には、容易に埋まらない溝があった。周作は養父の罵声を背に浴び、綾とともに浅利家を出た。安穏な生活を捨て、一貧士として北辰一刀流の道場創設を目指す周作。しかしその行手には幾多の試練が待ち受けていた。江戸随一の剣士と謳われた千葉周作の生涯を描く、剣豪小説の名作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AU.Step
3
周作の後半生を描く。合わせて周作を取り巻く人々についても。特に周作の次男である栄次郎に関する記述が多いが、その栄次郎が天才と評する宮田助太郎がなんとも格好良い。2019/07/25
woo
3
「千葉周作不敗の剣」だけで良いかな(笑)どちらか読めば✌️2019/04/24
うたまる
1
なるほど、司馬遼が周作の後半生を端折ったのは、伊香保騒動以降目ぼしい事件がなかったからなんだな。代わって描かれるのは血気盛んな子弟と門人のエピソードで、それはそれで初見でもあり十二分に愉しめた。また周作の指導の言葉の中には印象深いものが多く、特に「驚き、怖れ、疑い、惑いの四つは禁物」は珠玉といえる。平常心の大切さを語るこの言葉は、剣道以外にも通用するぜひ覚えておきたい訓えだった。他、試合にしろ決闘にしろ似たような場面を延々と描き続けているのに最後まで一切飽きることがなかった。著者自身が武道者だと知り納得。2019/09/22
ヨシ
1
隆盛を極める玄武館。栄次郎の成長で周作自身のやるかやられるかの勝負が少なくなるのは物足りなくもある。柳川藩士、大石進とその息子なかなかやるやん。2017/09/02
ろかす
1
ここの怖いところは、衆よく寡を制す!を書いているところだな。 凡人の私は、ひたすら怒りを抑える努力をしよう。2014/03/25