内容説明
ひどく酔っていた私は、ビルの谷間で見知らぬ男ともみあっていた。相手を突き倒し、落ちた免許証入れをひろって顔を上げると、きれいな三日月が。翌日、免許証入れを取り違えていたことに気づいた私は、夜のニュースであの男が殺されたことを知った……(「目撃者は月」)。なにげない日常に忍び寄る殺人の影。名手が巧みに紡ぎ出した傑作短編集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくちゃん
10
初読ですが作者の都筑道夫さんの本は昔「悪魔はあくまでも悪魔である」を読んだことがあります。地元紙図書館で懐かしく作者の本を見て読みたくなりました。作者後書きにあるように不思議な結末達の短編集でした。 2020/11/29
がるっち
7
普通そうで、普通でない。さらっと読み終わりそうで、最後に「えっ?」となる。これが魅力か?!2012/03/12
紫草
6
再読。のはず。家の本棚にあったから。でもすっかり忘れてました。初めてと同じに楽しみました。作者によると「ふしぎ小説」というジャンルらしい、確かに不思議な短編集。夢なのか、誰かが嘘をついてるのか、みんなぐるで騙そうとしてるのか、そっくりだけどちょっとずれてる異次元の世界に入りこんじゃったみたいな、不安な気持ちになるお話ばかり。怪奇ではなくて心理サスペンスの怖さ。やっぱりお化けより人間の方が怖い。2015/11/12
アーチャー
5
いままで何度か書いてきましたが、短編集は面白い作品が1冊につき2・3作あれば、それでOKだと思っています。「幽霊でしょうか?」などは好みですが、都筑道夫氏の短編集としては、平均的な出来で物足りなさを感じました。2012/10/09
やまほら
2
11作を収録。1989~1996年の作品で、何人か出てくる著述業の登場人物は、「ワード・プロセッサー」を使っています。ちょっと難解な作品も混じっているのが、著者らしいところ。2018/01/03