ちくま文庫<br> 戦中派虫けら日記――滅失への青春

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ちくま文庫
戦中派虫けら日記――滅失への青春

  • 著者名:山田風太郎【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2015/08発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480034090

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内容説明

昭和17年戦時下、20歳の山田風太郎は日記を書いておこうと思い立つ。「日記は魂の赤裸々な記録である。が、暗い魂は自分でも見つめたくない。(略)しかし嘘はつくまい。嘘の日記は全く無意味である」戦争のまっただ中、明日の希望もなく、精神的・肉体的飢餓状態にある1人の青年がここにいる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

92
戦中派と言う言葉。今ではほとんど使われないのではないか。青春時代の本来一番楽しい時期かもしれない時間を、戦争によって台無しにされた人も多いのではないか。昭和17年から19年にかけて書かれた日記が元になっている。昭和19年当時でも映画が観ることができたことに少し驚いた。 いずれ氷河期世代日記やZ世代日記のようなものが、現れるのではないか、いや今のXやインスタがそれにあたるのかもしれない。図書館本2024/11/12

みなみ

11
読了!日記600ページは長かった(笑)けどさすがのちの山田風太郎で、日記から浮かび上がる時代や思想が深く味わえる。日常生活の細かい描写は戦争による困窮を伝える。煙草のマッチがなくてレンズで火をつけるとか、もう戦争やめようよ…って気持ちになる。食料が不足してきて、学者先生が「人間が生きるのに糖分は必須ではない」と言い出すくだりは、ザ・御用学者という感じだ。それにしてもこんなに本ばっか読んでて医学生になれるの…?と思ったら一度は失敗したもののちゃんと医大に受かっててスゴい。でもお医者さんにはならなかったのね2020/09/23

KEI

10
小説家、山田風太郎氏の若き日の日記。自分として本シリーズは昭和20年を記述した不戦日記に続いて2冊目 昭和17年後半から昭和19年のコトが記述されている。 何気ない日常の中に世相が伺え、昭和18年位までは映画や演芸観たり、忘年会あったりするけど、昭和19年後半位から空襲が始まる。 山田氏が記述残してくれたおかげで、当時の人々の様子がすぐそこにあるような不思議な感覚を持てた2024/01/08

なつみかん

10
これも三浦しをんさんの本の紹介から手に取って読んでみた。風太郎さんは久々だったのが呼び水になって魔界転生か忍法ものをまた読んでみたくなってる。2021/01/14

リードシクティス

4
忍法帖でおなじみの小説家・山田風太郎の20歳前後の日記。時代的には昭和17年~19年のものであり、まさに太平洋戦争真っ只中の頃。最初の方は戦争に対して肯定的で希望に満ち溢れている記述が多いが、戦況が悪化するにつれてだんだんと政府や軍部に対して懐疑的になっていく。小説ではなく、当時の一般市民の生活が垣間見れて興味深い。巨匠が書くと日記も文学になるのだな。しかしこの文章からは、後の忍法帖みたいな作風が想像できないんだが。2013/01/02

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