内容説明
「堕ろすって言ったのよ」「何でそんなこと言うんだよ」「あそこから出てくるの嫌なんでしょ。ゲロ吐きそうだって言ったじゃん」妊婦に冷たい夫は女と旅行に行き、妻は下着をつけかえて夫の後輩を家に呼ぶ。若い男女のリアルな日常をためらいなく描き芥川賞候補となった表題作ほか、過激な性愛の底に流れる心のせつなさと揺れる男女の愛を描いた作品集。「あたしの欲しいもの」「勃たなかった男」「シタダシレッテル」「バージン」「スローロリス螺旋」「夜の足音」「キオミ」収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
28
多くが女性の1人語りで進むストーリー。かなり性欲が強いが、著者の他の書物からいかに荒んだ家族と人生を歩んできた著者ならあり得ることだ。人物描写はなく、職業、年齢など分からない。顕微鏡で性愛を覗き込んでいる様な世界。112回芥川賞候補(受賞作はなし)。2020/05/28
みゃーこ
15
エロスを書かせたら右に出るもんいないんだよな~彼女エロいわ~。ニンフォマニアじゃないの?と思うほど…。でも、ただスケベなだけじゃない「何か」で読者を引き付けてやまない。彼女だけが唱える独自の理論だとか(怒りのような愚痴のような)、土俵際で踏ん張ってる女の意地みたいな弱さの中の強さとか、自立心とか、そういうものを。そしてそれを全部引き受けて生きるところがかっこいいと思う。2012/10/23
佑依-Yui-
4
男女交際の、嫌な側面だけ抽出した様な作品。そして内田春菊は、女性の怖い側面を凝縮した己を生業としている。やはり過去さえも金に変える強かさがある。全てにとはなかなか難しいけれど、あらゆるポイントで共感してしまう女性は少なくない筈。例えば非現実的な相手と夢の様な時間の後は、一人になった瞬間に急にどきどきし始める様子とか。ポイントと言っても細か過ぎるけれど、相手を目の前にしている間よりも一人きりの時の描写こそがリアルだった。この心境は、きっと女性にしか書けないな。表題作のラストシーンに、彼女の自虐的な作家人生が2014/10/19
鑑真@本の虫
2
内田さんは、こういうの書くの上手いよなぁ。性愛と悲しみに溺れる男女は、なんだか遠い存在に感じられない。2012/01/23
ノエル
1
世界の見え方が人とは違うんだろーな。と感じました。2011/02/27
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