内容説明
園山由佳は、義兄から父親危篤の報せを受け、大阪へと向かった。義兄の石丸伸太は通天閣のちかくで、父の看病をしながら司法書士兼お好み焼き屋を細々と営んでいる。そんな彼のもとに、購入した土地の登記依頼が舞い込む。ところが、その物件は購入者とは別の名義人の申請がなされ、しかも不正を働いた売り主は不審死を遂げる。由佳と伸太はこの不可解な事件の調査を開始するが……。日本の土地制度の矛盾を鋭く抉った横溝正史賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっぴー
49
第十一回横溝正史賞受賞。む、無理です……無意味な描写が多すぎて、早く話を進めて、と言いたくなりました。とある土地売買をめぐってのごたごた。詐欺のあるある手口。途中から人間関係が複雑になり、理解することを諦めました。土地は怖いよってことで。2017/11/24
ヨーコ・オクダ
29
司法書士さんのことを「代書屋さん」て呼ぶのん初めて知った。まぁ、それに相応しい風体のぶーやんとトレンディなモノ?に憧れる義妹・由佳が探偵役。転々とする登記簿やら住民票やらに引っ張り回されながら、土地売買のカラクリ、ブローカーの変死、そして過去の地上げ被害者自殺の真相まで解き明かす。生まれ故郷の大阪(新世界付近)をあれほど嫌っていた由佳が、すんなりと浪花節に馴染んでいくのが気になるけど…。ヴィトンのバッグからレノマのハンカチが出てくるのは果たしてトレンディなのかw2020/10/01
harupon
18
筆者は司法書士の資格を取得している。悪徳不動産のしかけ。地上げ屋の悪事。不動産登記にかかわる欠陥。頭が混乱して、もう目もシバシバしてきたぁ。文庫化にあたって、専門的な部分を減らし簡素化してあるとのこと。それでも専門的です。最初は面白くて読み進めたのだけどね…途中で断念しました。日本の土地制度の矛盾を鋭くえぐった横溝正史賞受賞作。2022/06/15
mercury
3
登記や印鑑登録や詐欺の手口までわかりやすく説明されて興味深いとともに怖かった。知識は力だ。納得出来る終わり方だった。2014/07/02
タマン
2
前半は刺激的な内容でしたが、後半ややトーンダウンな感あり。知は力なりです2014/09/30