内容説明
デートの練習相手には、幼なじみが最適だ。でも、その幼なじみがあまりにすてきだと……■結婚して子供を産もう――アディはそう決心して故郷に戻った。だが、以前太っていて自分に自信がなかったせいか、男性とつきあったこともなく、デートの経験も三回きり。アディにとって男性は未知の種族にも等しい。どうしたら、夫になる人と知りあって、恋ができるのかしら?でも……幼なじみのジョーなら、夫探しを手伝ってくれるかもしれない。いまはコンピューター製造会社の社長となった彼は、工場建設用にアディの亡き両親の土地をほしがっていた。迷った末に、アディはジョーに話を持ちかけた。「土地は譲るわ。あなたがデートの練習台になってくれたら」ジョーは仰天した。だが、あの土地は必要だ。それに、こんなにも魅力的になったアディに、誰が断れるだろう?デートの練習には、キスも含まれるだろうか?こうして始まった練習が、やがて本番になり、ふたりはついに……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
22
再読。この作家さんのお話はヒーロー、ヒロインそれぞれの視点、気持ちの動きが丁寧に書かれているので読みやすい。過去に囚われていたヒーローが復讐を諦め、ヒロインとの子供を持ち、育て、慈しみ、愛する未来を望むようになるまでの心の動きが自然。心が温かく誠実で信頼できるヒロインが彼を変えたのですね。子ども時代からの親友と恋に落ちて悶々とするあたりは笑えるし、親友を失いたくはないと自制する気持ちにきゅん。全体にほのぼのしていて読後感がいいのが一番。2015/11/22
糸車
15
修道女志願でアフリカに赴き看護師として活動していたヒロインは故郷に戻り、幼馴染のヒーローが買いたがっている土地を売る見返りに”夫と子供が欲しい”ので相手を見つけるための秘訣を教えてと持ち掛ける。再会してすぐ異性として惹かれたのに、大切なかけがえのない友達だから壊してはいけないと必死に自分の気持ちを抑えるふたりにじれじれ。頑固で率直なヒーローとこれまた頑固で純粋なヒロイン。ヒーローの復讐心を諌めることが出来るヒロインは優しく前向きで強い。子供の頃からの深い絆で結ばれたお互いが運命の人と気づくまでのお話。^^2014/12/05
ばん
6
アフリカで小児科の看護婦をやっていたヒロインがとてもよくできた人間だった。おかげで復讐に捕らわれているヒーローが子供っぽく感じるかも。そんなヒーローをヒロインが公正な立場で見ているのが良かったな。ヒロインへの気持ちによって最終的にヒーローがとった行動に成長を感じた。ヒロインの昔太っていたという過去によっての内気な部分もリアルで良し!2016/09/04