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内容説明
十九世紀末ウィーンに生まれ、ユダヤ系資産家の両親を持ち、華やかな文学的交流の中心に位置していたツヴァイク。第一次大戦勃発に際し、ロマン・ロランを先達として平和主義運動に邁進したが挫折に終わり、戦後のナチス台頭により亡命を余儀なくされ、第二次大戦中に亡命先のブラジルで自殺を遂げた。しかし彼がもろくとも貫き通したヒューマニストの姿勢は、彼が作品に描いた悩める歴史的人物像とともに今なお人の心をうつ。
目次
第1章 青春時代
第2章 第一次世界大戦のころ
第3章 英国への亡命
第4章 ブラジルへの亡命
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kumisuke92
3
ウィーン生まれのユダヤ人シュテファン・ツヴァイクは、ドイツ語という母語を愛しながらもベルギーの詩人を師と仰ぎフランス人の仲間たちとの交流を進めるコスモポリタンだった。国家を超える文化の力を信じ、ヨーロッパ人としてのアイデンティティを拡張することに全力を投じた彼。同じ目的を持つロマン・ロランら文化人との交流が美しい。しかし二度目の戦争で希望が打ち砕かれて、ヨーロッパから南米へ亡命を余儀なくされ、精神も追い詰められていく。国境を越える共通のヨーロッパを夢見、挫折した彼。今のEUを見て何を感じるのだろうか。2015/11/29
青柳
2
美しい文体で優れた作品を世に送り続けた世界市民、知的文化人、伝記作家であったツヴァイクの生涯や思想を辿ることの出来るほぼ唯一の概説書。近年では再評価が進んでいるものの、本邦におけるツヴァイクの知名度は未だ埋もれており、彼の生涯や思想・活動を追うには岩波文庫やみすず書房から出版されている著作の巻末にある解説部分などを読むしかないのですが、本書は隠れた名作家であるツヴァイクの生涯を子細に記述した一品となっております。はっきり言ってかなりマニア向けの本ですが、ツヴァイクマニアにはたまらない内容だと思います。
fwhd8325
2
やや固い内容の著書でしたが、ツヴァイクという作家が、なぜ死を選択したのか、そこに関心を持って読むと、なかなか面白い。2014/05/28
中将(予備役)
1
『昨日の世界』と併せて読みたいツヴァイクの評伝。『昨日の世界』の途中で読み始めたので、頭の中で混ざったかもしれない。自伝ではあまり触れられていなかった妻のこと、「エラスムス」のように振る舞って「自由主義的な」作家とは温度差があったこと、ブラジルで受けた保護がわかる。「未来の国ブラジル」に過去の国ハプスブルク帝国を見いだしていたとの指摘は興味深い。自伝ではイギリスは反ファシズムの国として書かれていたが、本書で引用されている書簡から、イギリスファシスト連合のことは知っていたし警戒していたことも伺える。2020/05/31
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