内容説明
出羽三山の一つ、湯殿山麓の映画のロケ地から、石棺に入った即身仏(ミイラ)が出土! ところが所有権をめぐって現地が揉めるなか、肝腎の即身仏は忽然と消えた。推理作家のチョーサクと編集者リサは、友人でロケに居合わせた女優・月宮蛍(オケイ)に呼ばれて現地へ赴くが、新たな殺人事件が発生して大混乱。事件の謎は、消えた即身仏に隠されている? 当惑する2人は友人トーマを呼び寄せ、3人で謎に挑む。『パンドラ・ケース』『南朝迷路』に続く、人気シリーズ第3作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIKETOM
5
ミイラが埋められやがて掘り出されて別の場所に埋められ再び掘り出されるがすぐに盗難にあってしまう。やがて関係者が殺されて…。とにかく何でそういうことをするのか、その動機がポイント。あれこれ仮説を立ててみてもどうにも矛盾点を解決できず完全に袋小路に陥ってしまう、てな流れ。ただまあ、やや捏ね過ぎでさほど面白いってわけでもなかった。むしろ途中で語られる蘊蓄話のほうが面白かった。出羽三山のうちの湯殿山が舞台だが、湯殿山と羽黒山の確執とか、またミイラに関する蘊蓄など。湯殿山の霊岩を一度見てみたくなった。日帰り可だし。2020/11/13
あいちょ。
3
図書館。 長作、塔馬シリーズ2作目。 2024/01/16
KAZY
1
南朝迷路がそこそこ面白かったので、パンドラケースとともに図書館で探したら、パンドラは外部書庫、こっちは所蔵なしで他館から借受とのこと。なのにこっちが早く借りられた。館員の方、お手間取らせて申し訳ないが書庫からの方もよろしくお願いしますね。ってここで言ってもしょうがないか。題名からはもっとおどろおどろしい筋書きを予想したが、割と軽めの感じだった。長山の語り口と、「〜た。」で終わる短文で会話をつないでいく作者の文体のせいか。即身仏発見と盗難の謎については充分楽しめた。2016/05/03
Pochi
1
高橋克彦っていうと、総文谷とか竜の棺とかいうイメージがあるので、こういう普通のトラベルミステリにも近い推理小説は意外だった。世界観などが日常なので、すいすい読めた。2015/07/11
kagetrasama-aoi(葵・橘)
1
トーマ、チョーサク、リサ、そしてタコ登場。シリーズで言えば第三弾になるのかな。「パンドラ」に登場したケイこと、女優の月宮蛍が再登場。相変わらず、テレビ局とか記者とかの傍若無人振り、馬鹿馬鹿しさは笑えるレベル(笑)。「パンドラ」は少々重かったけど、このシリーズは謎解きより仲間内の会話を楽しむお話って感じ。でも、即身仏の薀蓄は勉強になったし、山村正夫氏の「湯殿山麓呪い村」は懐かしく思い出したし、チョーサクの横溝正史論は秀逸!そうそう、そうなんだよねぇ!山村正夫氏と横溝正史氏の作品読み返したくなりました。2015/01/05