内容説明
祖国の中性子爆弾によって、やがては滅びる運命にあるオハイオ州ミッドランド・シティ。そこに住む「デッドアイ・ディック」と名づけられた男、そして、変人・普通人たちがコミカルに織りなす時の流れのタペストリーを、著者ならではのユーモアと哀愁をこめて描く。軽妙なウィットの陰に鋭い批評眼が光る話題作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
18
第二次大戦と関連するのはスローターハウス5、猫のゆりかご、そして本書『デッドアイディック』のほかに2冊あるという 誰か御教示を2016/06/17
抹茶モナカ
11
サクサク読めました。ユーモアがあって、面白い。足りぬ足りぬは工夫が足りぬ。2013/06/09
明石
10
ヴォネガットの後期作品では名作と名高い本作。後書きにある通り、この作者にとって、ラストというのはさほど重要ではなく、その作品を通して本当に伝えたいことは2/3くらいの時点ですでに書き終えているとのことですが、まさしくそんな感じでした。150ページくらいまでは密度も濃く手放しで楽しめたのに、中盤以降は不必要なほどの登場人物の数に辟易しつつ半ば呆れながら読み進めた。ヴォネガットの作品はほぼクロノロジカルな順序で読んできたので、ここまできたら(つまらなすぎて息絶えない限り)全作読み切ろうという気になっています。2021/12/17
記憶喪失した男
9
たいして面白い話ではないが、まあ、たいていの古典小説よりはヴォネガットの雑談でも聞いていた方が面白いのである。SFではない。 2017/01/21
メルコ
7
オハイオ州ミッドランド・シティの薬剤師を狂言回しにして、ヒトラーと知り合いになった父親、誤って人を撃ち頃した少年期、一作だけブロードウェイの劇作家になり、故郷の町は中性子爆弾によって滅びる、といった出来事が語られる。「母なる夜」「スローターハウス5」を読んでいたが、久し振りにヴォネガットのあまり知られていない本作を手に取った。どんな内容か知らなかったが、奇妙キテレツな感覚を味わった。あとがきに紹介された書評"完全な復調と言えないまでも、ヴォネガットのユニークなおそらく衰えることのない独創性と魅力を、2021/10/19