内容説明
精神科医の小野寺は、殺人容疑者の精神鑑定を依頼された。妻との関係を疑い、自分の息子を殺したというその男は、本当に狂気のさなかにあったのだろうか? 小野寺は調査を進めながら心の動揺を覚える。実は彼自身も、ある事情のために妻への屈折した嫉妬の感情を抱きつつ生きてきたのだった――。表題作をはじめ、デビュー作「頭蓋に立つ旗」など初期の医学もの中編3編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
64
帚木さん6冊目。デビュー作を含む中編3編。漢字の多用された長い文章に大苦戦。景観描写ですら読みづらく、なかなか頭に入ってこない。表題作以外は文字を追うのも辛くて途中で挫折。硬い文体は嫌いじゃないけど、古めかしいのが苦手みたい。2000年以降に出された『エンブリオ』『インターセックス』のスラスラと読みやすい文章とはまるで違う。本書は85年に発行。私には難しくて合わなかった。90年発行の『賞の柩』はまだ読みやすかった。79年発行の『白い夏の墓標』も読みたいけど、どうしようか悩む。2015/12/18
おか
39
三篇共 帚木蓬生さんの初期の作品で 物凄い暑い中で読んだせいか 印象は悪い(笑)う~ん 三篇共 結末が不鮮明。最初の「空の色紙」も特攻隊、知覧を主題とするも 中途半端!「虚の連続切片」白い巨塔と学生運動の話かな(笑)どっちにしろ中途半端「頭蓋に立つ旗」献体をしたいという気持ちを失った。ごめんなさい 全て この暑さによる辛口コメントです。帚木蓬生さんが好きなのは変わらずです(⋈◍>◡<◍)。✧♡2024/09/11
ナキウサギ
36
長い長い間つながってきた肉親達の中の見えない気持ち。。冒頭の父親の息子殺し、次の妻に対する殺人未遂。。精神鑑定っていったいなんなんだ。。あくまでも鑑定というだけで事件の直接な鍵にはならない。。人の気持ちを図るものさしってない。主人公の医師もまた30年連れ添った妻に、自身の戦死した兄の思いを重ね切れずにずっと生きてきた。「柩のような飛行機」と例え妻がつぶやく。これからなんだ、、兄の面影をまっすぐみつめて生きる決意が重く響いた。帚木氏の初期の作品はとても文章の運びが固い。。 医療用語ばかりの2話目は挫折。2021/04/02
背番号10@せばてん。
23
1998年5月12日読了。あらすじは忘却の彼方。(2018年11月16日入力)1998/05/12
くろすけ
20
帚木蓬生氏の初期の中編集。嫉妬、保身、名誉欲、辛い過去など、人間の昏い部分をこれでもかと掘り下げようとする情熱が感じられます。 医療用語が続く部分はつい読み飛ばしてしまいました(^_^;) これだけ詳細に専門用語を書き連ねるということは、医療に携わる人が読んだらもっと描かれている事柄の重大さが実感を伴って伝わるのでしょうね…。2018/09/22
-
- 電子書籍
- SERVAMP-サーヴァンプ-【分冊版…
-
- 電子書籍
- えびす亭百人物語 第四十九番目の客 史江




