内容説明
19世紀初頭、人間の普遍的本性としての「伝統主義」から、截然と区別されるようにして現れてきた「保守主義」とは何か? 啓蒙主義とフランス革命がもたらした「抽象的」「理念的」なものへの偏愛に対置するに、「具体的」で「生き生きとした」ものをもってした《保守主義的思考》は、ロマン主義ときりむすびながら、いかに展開していったのか? 「保守主義」を、ひとつの特殊な歴史的・近代的現象としてとらえた「知識社会学」の先駆的著作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミスター
4
とてもいい教科書。読んだ方がいい。ここで語られている修正近代主義としての保守は橋川文三が立つ立場であって柳田國男が日本思想のペースセッターになったのもこの本の影響だと思う。ただ教科書なのでとても退屈だから、橋川文三の現代日本思想体系の新保守主義を読むことをお勧めする2020/04/18
のぞむ
2
私は左翼な性格ですがこれを読むと政治も経済も「保守」に傾きがちになることが極めて実証的に書かれています。ので政治や政治家に甘やかされないように後は政治に期待しないで世の中に順応しつつ或いは超越論的な限界を自覚的になる必要性があります。例えば物価高だから買い控えるとかコロナだから自粛とか下手にヒステリックに受容するんではなくて適当にやり過ごすのが大事なんでしょう。2024/05/27
Gloria
1
知識社会学の人が保守主義について何言ってるか気になり読了. ただ1927発表当時の読者は持っていただろうフランス革命後のプロシアの社会的文脈を知らなさすぎて立論を追うのが正直しんどい.主張としてresponsiveな性質としての伝統主義(じゃあ主義って変じゃない?感)と区別して、ある時点の特定社会(の階層-って書いてるけどclassのこと?)に根ざす現象として保守主義を定義してるのは理解.まぁだからその社会ごとの政治思想研究があるんよな感2024/08/29
てれまこし
0
具体的なものへの執着、積極的な自由、有機的全体、ありふれたものの意味の探究、成長する生命体としてとらえられる文化。柳田国男が真の保守主義者であるという論は、マンハイムによる保守論によるところが大きいのだな。ただ、マンハイムのいうところの保守的思考(保守主義的思考ではなくこちらの訳の方が適切だと思う)は、我々が保守主義と呼ぶものよりはるかに広範である(例えば、歴史学自体が保守的思考の産物である)。また、貴族を担い手としたドイツの保守主義の議論を、そのまま日本の保守主義に当てはめるのは危険な気がする。2017/07/30
Sebastianus
0
自民、みんなの、維新の会あたりがゴチャゴチャしているので2012/10/06
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