ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 帰還

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ハヤカワ・ミステリ文庫
帰還

  • ISBN:9784150707316

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内容説明

〔競馬シリーズ〕外交官のダーウィンは友人に付き添い帰郷した。友人の娘の婚約者は優秀な獣医だが、最近手術した馬が次々と原因不明の死を遂げていた。さらに、病院が放火され、焼け跡からは身元不明の死体……ダーウィンは調査に乗り出すが、事件の謎を解く鍵は過去の記憶に隠されていた!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Kajitt22

22
本棚より、競馬繋がり3冊め。主人公は英国外交官。日本人ファンへのサービスか駐日一等書記官から本省への帰還の間の事件。緑のターフは数ページで舞台はほぼ動物病院。その分ミステリー色は強い。幼年期の記憶が水中の泡のように次第に蘇ってくるのだが、私もそういった体験が最近あり、むむむと唸った。最後は日本固有の猛毒も登場し筋を通した。再読。2025/08/15

bapaksejahtera

17
主人公は外交官。競馬場に馴染んだ幼少期を過ごしたが、生母が外交官と再婚した為にかくなったという背景。本省勤務命を受けて任地日本から帰国する途中のフロリダで、娘の結婚式に英国に帰る夫妻を助けた縁で、主人公は自らの故郷に帰る。ここで家畜病院の獣医の危難を救ううち大きな事件を解決する筋。主人公の明朗親切な性格とモテモテが、毎度の通り気分良く読むのだが、プロットでフグ毒が使われる事で面白日本が登場するのが面映ゆい。悪漢が意外過ぎる人間であるし、物語全体を険しく彩る人間に対する膺懲に徹底を欠く作者の癖が本作でも出た2022/07/17

本の蟲

14
外交官ピーターは、知り合った獣医を襲う立て続けの不運に怪しいものを感じる。彼が行った手術を調べ始めると…。最近読み始めた有名翻訳ミステリ〈競馬シリーズ〉30作目。普段は順番通り読むのだが本作は例外。今が旬のオグリ・タマモ時代に作者来日し、主人公の元赴任先(日本)の所感・雑学が本作に入っていると聞いて。シリーズの特色を語れるほど冊数読んでいないが、陰謀での信用失墜から事件解決で名誉挽回、というのはある程度共通のフォーマットなのかな? 既読作と違ってレースの話題は控えめ。馬の医療や保険金がメインのサスペンス。2025/06/15

Schunag

12
主人公は外交官。素材は獣医と日本についてのトリビア。『黄金』以降の作品らしくフーダニット興味が強く、犯人=敵はなかなかわからない。序盤のフロリダでの挿話が本筋にあまり関わらなかったり(すごく面白いのだが)、危機の様相が見えはじめるタイミングが遅め(火災こそ序盤で起きるが)なあたり、実は競馬シリーズとしては異色作。2025/05/06

NICK6

12
最高!出だしの標的は主人公ではない。偶然知り合ったばかりの獣医。名誉と磨いた腕、能力の正当性を賭けて臨んだ、前半の緊迫した状況下での手術シーン。これがまたゾクゾクする程、精緻極まる連続。生死のかかる現場の直視。監査する役割を担った過程で、彼へのリスペクト急上昇。リアル。彼を助ける意志と友情の始まり。以降の素晴らしいサポートは勿論だが、今回は自分の勇気より、友の自立的尊厳を奮い立たせる言霊の輝き。時々落涙。後半のスリルに遭遇して心拍上昇。そしていつものロマンス。一丁どう?っていうヒップなお誘い。渋くて悶絶。2024/12/30

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