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内容説明
子どもから大人への境目が曖昧ないま、「大人になる」とはどういうことなのか。人はどのように成長の自覚を自らのうちに刻んでいくのか。子どもが成長していくなかでの親との関係、思春期の性の目覚めや自立の問題などを、文学的素材や社会的テーマを通して考え、現代社会において大人になるということにどんな意味が潜んでいるのかを浮かび上がらせる。自分はなにものかを問い、大人になりきれない思いを片隅に抱くすべての人におくる、新・成長論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
23
題名からイメージしていた内容とちょっと違い、哲学的なアプローチがなされていた。私としては社会や教育的立場からの記述がもっとあるとよかったのだが、著者が正直かつユニークな方なのであまりつらくなく読めた。「気づく」行為からの成長というところに、当たり前のようでいて少しヒントをいただけた気がした。2013/12/10
905
3
著者の論理に沿うように考えればそうかなとも思えるけど、めんどくさい思考の道筋に付き合った結果そう感じているだけのような気もする。客観的に見ればどうかな?と思うところもあり、結局は男性である著者の個人的な意見の域を出ないのではないかと思う。2020/04/06
ふじ
3
文体が学術的で、しばらく論文から離れている自分には少し難解。でも、すごく論理的で物事を体系的に考える、賢い方だと思った。大事なことは、”終わりに”に濃縮されている。社会の変化からくる、大人の姿の変化。そもそも大人化することは必要なのか。一生、「自分探し」をしても許される人たちもいるではないか。自由すぎる弊害、といえるのかもしれない。でも、だからこそ、試行錯誤をしたうえで、自分なりに納得のいく「大人としての行き方」を見つけるのが、今の時代の”大人への条件”なのかもしれない。2010/06/26