内容説明
泣き喚いた次の瞬間には恍惚とした表情をする患者。この激しい幻覚症状の原因は一体何なのか? 激増する奇妙な病状を調べていた秋田修平は、カルテの記載に患者たちの重大な共通項を発見した! 早速調査に向かった秋田は、そこにかつての山仲間でともに遭難から生還したことのある大西安雄を見いだした。二人の男の友情と葛藤、冷酷な企業の本質を抉る長編力作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
122
秋田修平と大西安雄という二人の若者の人生の選択が 表題に表れており、記憶に残る。 秋田を愛しながら、大西に嫁ぐ 祥子の心情も この時代らしく、心に痛い。 非人間的な企業の論理に苦悩する若者たちの描写が 著者らしい。2020/05/08
つちのこ
1
タイトルに期待して読むが、山岳描写は北アルプスの西穂高岳くらいしかなく、山度は低い。1980年頃読了
つんこ
1
小川さんに借りた2001/02/25
ipusiron
0
1998/8/17読了
コマンドー者
0
森村氏の乱歩賞受賞する前年に出された企業小説家時代の長編。とは言え、登山家男性二人の友情と破滅、そして企業の非情さと後のベストセラー推理作家となっても追及してきたテーマが盛り込まれており、森村節は当初から揺るぎない。無名時代の作品とは思えないほどドラマ性と構成力が既に完成されている。2023/12/31