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内容説明
恵まれた才能と富を活かし、「学問という最高の道楽」を楽しんで、卓越した業績を挙げたディレッタントたち。華麗な恋の遍歴のはてにニュートンの『プリンキピア』仏訳を完成したシャトレ侯爵夫人、領地の森をフィールドに『博物誌』を著したビュフォン伯爵、大銀行の長男に生まれながら動物学者の道を歩んだウォルター・ロスチャイルドらの姿に、学問が職業として確立する以前の、好奇心と遊び心が融合した近代科学の“原風景”を見る。
目次
序章 道楽としての学問
1章 恋と物理学の生涯―シャトレ侯爵夫人
2章 『博物誌』を著わしたパリ王立植物園園長―ビュフォン伯爵
3章 断頭台に消えた化学者―ラヴォアジエ
4章 ロンドン王立協会に君臨した探検家―バンクス
5章 火星に運河を見た名門の御曹司―ローエル
6章 動物学者になった銀行家の跡取り―ウォルター・ロスチャイルド
終章 ディレッタントの末裔たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mawaji
6
NHKラジオ高橋源一郎「飛ぶ教室」で歌人・細胞生物学者の永田和宏さんが紹介していたので手に取りました。科学を趣味とする偉大なアマチュアたち6人+αの桁外れに豪快な人生は、知的好奇心の赴くままに邁進した結果が人類の発展に寄与してしまったということで、それはホモ・サピエンスとしての根源的な行動にほかならないのだなぁと思いながら読みました。今の科学者たちを取り巻く環境も、ただ純粋に「知りたい」という欲求を汲み取って、予算や成果を気にせず研究できる環境を整えることがとてもたいせつなことなのではないかと思いました。2024/07/25
Mentyu
3
かつて学問は有閑階級の娯楽として存在してきたという事実を再確認できる本。昨今の役に立たない学問は不要とする国内の風潮を踏まえると、学問が資金的に余裕がある人のみに許された娯楽に戻っていくというのはありえる話かもしれない。この本が出版された当時はまだそこまで危機感がなかったようで、雑務に追われない昔の人はうらやましいという認識に留まっているけれども。2018/02/24
おらひらお
3
1997年初版。著者買いした一冊ですが、予想通りの面白さ。学問は楽問。これから先には本書で紹介されたような科学者は出てこないのでしょうね。2015/10/27
飛龍
0
学問は楽問・・・楽しかっただろうなぁ2016/07/14
だがやもん
0
莫大な資産と才能の両輪をフルに活かし科学を楽しみ、その上で多大な功績も残している様は憧憬だ2014/10/27