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内容説明
「哲学の祖」とも称され、生涯を賭けて人間の本質を探究し続けた古代ギリシアの哲人ソクラテス。無実の罪に問われながらも、粛然と毒杯をあおって死を選んだ生き方の根底にあった思想とは?そして、人生の最後に見出した「生」と「死」の意義とは?死刑を目前にして牢獄でなされた13日間の思索と心の葛藤を丹念に描きながら、ソクラテスの人間像と思想の本質に迫る、著者初の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よみこ
6
ソクラテスの、死刑宣告を受け執行されるまでの獄舎での様子が描かれる。徹底した言行一致とダイモンに憑かれアイロニカルな生き方を披露するソクラテス。その最後の十三日は、知を愛する者の集大成として、自分自身や脱獄を勧める弟子や友との対話を繰り広げ、霊魂の不滅を証明し、意気揚々と毒杯を仰ぎ死んでいくというものだった。しかしそんな理性の塊のようなソクラテスも、自分には人類を幸せに導く愛や情が欠けていたのではと悩む場面がある。『草枕』の冒頭を思い出した。ソクラテスの真髄は『パイドン』にあるという。ぜひ読んでみたい。2018/06/23
naoto
0
ギリシャの哲学者・ソクラテスの、死刑執行までの小説。古い話なのでどこまでが本当なのかはわからないが、死を前にして動かない心はすごい。魂と死について、いろいろ考えさせられる一冊です。2011/06/26
ホームズ
0
1997年1月15日初読