ちくま学芸文庫<br> ヴェーユの哲学講義

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ちくま学芸文庫
ヴェーユの哲学講義

  • ISBN:9784480082978

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内容説明

本書は、若き日のヴェーユがロアンヌ女子高等中学(リセ)の最高学年哲学級でおこなった講義の記録である。「心理学」から始まり、「精神の発見」「社会学」「倫理学」などを通して、意識・感情・国家・身体などを考察するこの講義は独創的かつ自由奔放、そして何よりも生徒の人格を発展させようとする姿勢に貫かれている。

目次

心理学で用いられる方法
反射
本能
行為における身体の役割
感情における身体(反射と本能)の役割
思考における身体の役割
精神を求めて
精神の発見ののちに
社会学
倫理のよりどころ
審美的感情についての心理学
いくつかのプラン

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ももみず

11
ヴェイユが高校教師時代に行なっていた哲学の講義を、生徒がまとめた本。高校の授業と言っても、誇り高き思想史を持つフランスのこと、根本から物事を探求する厳粛な姿勢は大人顔負けだ。さて、本書の前半では努めて客観的に哲学の諸問題について述べられているが、後半になるとヴェイユの個人的な感情も見え隠れする。そこで浮上するのが、果たして哲学は個人から遊離した知の営みでありうるかという問題だ。きっと彼女は、そうは考えない。個人に根差した思想からしか、真理には辿り着けないのだ―そんなヴェイユの声が聞こえるような一冊だった。2014/11/14

amanon

8
恐らく二十数年ぶりに読むヴェーユの哲学講義。平易な語り口で思いの外、さくさく読み進めることができるのだけれど、文字面だけを読んでいて、その言わんとするところの理解はかなり怪しいというのが正直なところ。とりわけ論理学や心理学を扱った第二部の前半は、個人的に苦手分野ということもあり、読み進めるのが辛かった。しかし、その反面、後半の社会学を扱う箇所になると、かつて「赤い処女」と言われヴェーユの面目躍如というべきか、社会的抑圧に対して、あからさまな反感を示す姿勢に溜飲が下がった。訳者川村孝則氏の解説も味わい深い。2025/02/25

兎乃

7
何度目の再読かカウントできませんが、若き日のヴェーユがリセの最高学年哲学級でおこなった講義の記録。あとがきも感動的です。2012/10/04

ラウリスタ~

6
ヴェイユの著作かと思ったら、彼女がリセで行なった哲学の授業のノート。学生の一人が記録していたもの。はっきり言って、面白くない。そもそも一般的な哲学の授業がどのように行なわれていたのかを知らないのだから、この講義はどれほど特別なものなのかも分からない。授業ノートなのだから、話すことが箇条書きに近い形でまとめらており、話しぶりとか、脱線とかもないから、退屈。読む必要は無いでしょう。2013/07/23

galoisbaobab

4
彼女にとっては生きる事そのものが哲学すること。高校の授業なのにこの内容は・・・、さすがおフランス!難しすぎるからもうちょっと回り道してからシモーヌ・ヴェーユにたどり着くことになるでしょう。2014/12/08

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