内容説明
〔競馬シリーズ〕作家としてスタートを切ったサヴァイヴァルの専門家ケンドルは、有名調教師の伝記を書くため厩舎に赴いた。だが到着早々、行方不明だった女性厩務員の他殺体が発見され、やがてケンドル自身にも犯人の魔手が……サヴァイヴァルのプロがその知識と技量を尽くして非情の罠に挑む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bookkeeper
47
★★★★☆ 再読。主人公はサバイバル専門家兼作家。生活に困窮して調教師の伝記を書く仕事を請けるが、行方不明になった厩務員の事件が陰を落としていく…。 調教師のトレメインを始めに、いがみ合うお抱え騎手や厩務員など競馬業界の生活が垣間見える。傲慢に見えて実は優しさを持った調教師、名声を勝ち得た厳しい女性作家、思春期前で無邪気さも残した男の子など、登場人物達の描写が実に上手い。クライマックスで重傷を負いながら荒野を必死に踏破するシーンは読んでいても痛い。「サヴァイヴァルは心の中で始まり、続き、達成される」2022/06/22
Kajitt22
20
今年は珍らしくオークス、ダービーと馬券が的中したので、本棚よりディック・フランシスを数十年ぶりに手に取った。内容は全く記憶になかったが読み始めると明瞭な細部の描写とストイックな文章で懐かしく一気に引き込まれた。今回は駆け出しで貧困の中にいるサバイバル作家ジョン・ケンドルが主人公。大物調教師トレメイン・ヴィッカーズの人物像も魅力的だ。終盤生き残りのためのアクションシーンもあり堪能しました。シッド・ハレーもまた読んでみようかな。2025/06/19
ゆーかり
20
久しぶりのディック・フランシス&菊池光訳。念願の作家スタートを切ったサバイバルの専門家ジョン・ケンドルは有名な調教師の自伝を書くことになり彼の家に滞在する。彼の家族や隣人らと関わるうちに行方不明だった女性厩務員の遺体が発見され…。隣人やジョン自身も罠にかかり命の危機に晒されてハラハラするシーンも。犯人探しだけでなく物語を楽しめたり、近年の陰惨なミステリーと違って読んでいて嫌な気持ちにならないのも良いです。原題 “LONGSHOT”2018/01/08
bapaksejahtera
14
サバイバリストで安定した旅行社職員を捨てて作家生活に入った主人公は、生計上已む無く有名調教師の依頼に応じ伝記執筆の為彼の邸宅に逗留する。そこでは隣家で馬主である友人の縁戚のアマ騎手による裁判沙汰が進行、更には失踪していた厩務員女性の死体が近くで発見され疑いが調教師に近い人物に及ぶ。しかし捜査を含めたあれこれは脇筋のように描かれ、小説は専ら主人公と調教師やその息子等一家との交流譚が主体になる。主人公の活躍は爽快であるが、最後に罪状発覚を恐れ主人公を襲う等凶暴化する真犯人の暴き方、決着の付け方には不満が残る。2022/07/16
たこやき
14
調教師の自伝を書くため、厩舎住み込みになったジョン。しかし、その厩舎から失踪していた女性厩務員が他殺体で発見されて……という物語。自分の過去に書いた本、サヴァイヴァル技術などで厩舎の面々とも打ち解けるが、しかし、部外者として、少し距離をとった視点で犯人を推理するなど、これまでになくオーソドックスな犯人探しミステリになっていると感じる。どちらかというと、犯人が誰か、というよりも、物語の中での人間関係などが主題の作品が多い印象の著者だけに、妙に新鮮に感じられた。2013/08/17
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