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内容説明
たとえばコレラ菌は、子孫を残すためにコレラという病気を起こす。コレラ患者の身体は最適な生存環境だからである。けれども患者の死は、コレラ菌にとっても不都合なことになる。ではコレラ菌は、どうやって生き延びるのだろうか。ミクロな世界の生存競争を眺めながら、病気と病原体の自己保存との関係について考える。
目次
序章 病原体はどう理解されてきたか
第1章 病原微生物の生態
第2章 病原体への対応
第3章 いくつかの病原細菌
第4章 細菌以外の病原体
第5章 病原微生物を通して考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なま
4
馴染みの無い病原菌もありますが、細菌以外の病原体でインフルエンザや麻疹、ポリオウィルスが本来どんな動物が宿主で、どんなことが怖いのか?基礎基本が順序だてて紹介されており、医学知識がなくても読みやすい。また、そういった病原体がいるなかで共存できているのは自分の体が健康体だという感謝の気持ちも生まれた。2017/01/09
暫定ニート(琉球)
2
コレラにかかると、人間は下痢をおこす(例外アリ)。この下痢という現象は、病原体にとってどのような価値・意義があるものなのかといった、菌視点で感染症を捉えてみた本。最近予防接種を受けたばかりの破傷風菌がとても恐ろしく描かれており、大変感慨深いものがありました。細菌の病原性とプロファージ、プラスミドとの関係も書かれております。2011/11/12
トマシーナ
1
病気を引き起こすような微生物も生物である、という著者の言葉は目からウロコ。病原菌の立場から人間に起こる病気が語られるのは斬新である。こういう説明をしてもらっていたら、生物の授業はもっと面白かったかもしれない。全ての微生物の共生は不可能だとしても、ワクチン等で免疫を作ることによって病原体と共生できる道を探ることには意味があるような気がする。2019/05/06
wei xian tiang
1
★★★萌え。ジフテリアファージ頭良杉。ジフテリア菌は体よく利用されたもんですな。「何故腐生菌の感染症は致死率が高いか」→死んでも栄養分が土に還ってくるから。「何故異種感染症の致死率」→栄養源として宿主を生かしておく必要を想定していないから。膝打ちまくり。 2013/04/11
文章で飯を食う
1
基本ですね。