内容説明
天皇、断髪なさる。皇后も少し前にオハグロをおやめになった(明治六年)。時計の国産化に成功。いずれは輸入しなくてもいい時代が来るだろう(明治十六年)。元号の原案に「天興」や「興化」もあったとのこと(明治四十五年)。当時の世相や風俗、ゴシップなどのニュースで、近代化の流れをたどるユニークな編年史。文明開化から始まった明治という時代にタイムスリップできる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
148
これは初めてでした。このような本が明治関連で発表されていたのですね。星さんの4冊目の明治ものです。あとがきに書かれているように15巻の新聞集成の中から、ご自分のフィーリングで記事を選ばれていったようです。挿絵もあったりして楽しめます。星さんの好みとは言いながら明治を通年で概観できて、ちょっとした明治の物知りになれそうな気がします。2016/06/02
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
71
今年は明治維新150年。何でこの本を復刊しないのか新潮文庫。星新一だぞ(電子書籍では売ってるが)。かつて「日本の夜明けは近い」と鞍馬天狗は言ったが、この本は星新一によるその夜明けあとの実際(明治時代史)。歴史的事件も珍談奇聞も猟奇犯罪も、軽重に拘わらず等しく1~2行で記される。これがまるで飯田茂実『一文小説集』や『噂の眞相』の一行情報の様な味わいがあり、超ショートショートの趣がある。実に面白い。寝る前や通勤電車でちょっと読む本に良いだろう。頭から読まずとも、ランダムに好きなところから拾い読みしても面白い。2018/07/22
Tetchy
35
明治当時の新聞記事や広告文句をスクラップのしたクロニクル。「本当か!?」と疑う物や現代を予見している内容もあり、意外に面白かった。2008/09/16
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
11
「勝手に星新一読み直し祭」第49弾。平成 8年 7月 1日 初版 読むセットであった。。。新聞等に書いてあった記事等を簡潔に集めた資料集みたいな歴史本であった。切手が発行されたとか、醤油が西洋で好評でまがいものがつくられているなど、新聞の写真や商標等を交えながら書かれてあった。。。ああ、なるほどこれは、この年からかなどとおもう。 2017/05/20
保山ひャン
9
明治時代に起こった出来事を1年毎に新聞記事等で綴る。昔も今も変わらないなあ、ということや、今では考えられないことなど、面白い記事でいっぱい。狸囃子に狐憑き、犬神憑きに人面疽、ポルターガイスト。ウサギやカナリヤのブーム。セイフ餡やシュウセイ餡と名付けられた国会汁粉が売り出されたとか、輸出や三味線屋を当て込んだネコ会社の計画など。漢文を読めない大学生の話題など、昨日今日の記事を読むかのようだった。2017/04/04