内容説明
秘峰八ケ嶽を舞台に、姫をめぐる兄と弟の愛の確執と惨酷な結末が、果てもなく続く一族の血塗られた歴史の発端だった。憎悪は憎悪を呼び、復讐は復讐を生む。山窩族と水狐族に分かれて争う末裔たちの呪詛と怨嗟の叫びは、時空を越え、いま大江戸の夜に凄然と谺する! 近代劇作の手法もとりこんだ卓抜な構想力と無類の空想力で妖美幻想の世界を拓き、国枝三大伝奇長編の一つと評される豊饒な成果。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イコ
4
序盤の物語が膨らんでいく感じが好き、完結しているけど、恨みが無い終わらせ方でスッキリした感じは無いかな。ただ現代と繋がるような終わり方は良かったです。時代を考えたらかなり異色作品ではある。2020/12/10
デルタアイ
2
一応収集はついた今作だが相変わらずあっちへ行ってと思ったらとんでもない方へ行ってという具合の読了感 もう最初の頃の設定なんか朧げだがやはり国枝史郎さすがの面白さ ちょくちょく出る当て字なのかは知らないが風情のある漢字がまた憎い とりあえず和物でぶっとびたい人ご用達の1冊 ☆8.9 2026/05/27
西村章
2
『神州纐纈城』や『蔦葛木曾桟』と比べると、本作の場合は途中までどんどん増殖してゆく登場人物とエピソードが、第四部の「江戸市中狂乱の巻」で妙に収束してしまうのがじつにもったいない。もっと野放図に畳みようがなくなるほど大風呂敷を広げてほしかった気もする。でも、ケレン味たっぷりで突拍子もない嘘の大伽藍が無窮迷路のように広がってゆく国枝大伝奇は、やっぱりいつ読んでも無類に面白い。「漸次(だんだん)」とか「明瞭(はっき)り」なんて独特の言葉遣いも、雰囲気があってとてもいい。2020/04/09
ぞるば
2
電子版。なんじゃこりゃ、というかんじ。はじめのほうと、講談調のところなどは面白かった。話が進めば進むほど適当でいい加減ですが、ノリがいいといえばそうかな。主人公は考えてみればなかなかの悲劇的美青年ですが、まったく共感できなかった。うーん、でもこのでたらめでフリーダムで、「主人公は善玉だから勝つの!」なかんじが、昔のお話のいい所といえばそうなのかもしれない。2017/08/19
辺野錠
2
平安時代の話からどんどん広がっていくなあと思ったら元々そういう作風だったのね。確かにこのノリはジャズのアドリブっぽい。2013/05/31
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