内容説明
破壊と滅びをもたらす凶獣の正体とは?盗掘屋のフェンリスは遺跡を探索中に、驚くべきものを発見した。それは棺に横たえられた少女であった。少女はある使命を達成するために魔法の力で、千年の時間を眠り、現代に蘇ったのだ。少女の使命は一つの文明を滅ぼしてしまう凶獣の復活を阻止することだった。だが、彼女の末裔ともいうべき人々の野望から、凶獣は復活してしまった。迫る凶獣。逃げまどう人々。使命を帯びて復活した少女だけでは凶獣・ガルドゥーガを倒すことはできない。だが、フェンリスには凶獣を倒す秘策があった…。本格ファンタジーの超新星、対馬正治渾身のデビュー作!第7回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
檻の中の象
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疑似人間メルティアの作者さんのデビュー作。電子書籍化されていたので読んでみました。ストーリーとか設定とか、当時のSFを読んでいるようでもあり、楽しく読ませてもらいました。2015/08/22
紫
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およそ十数年ぶりの再読。オーソドックスな西洋風異世界ファンタジーから始まり、怪獣映画調を経て、SFな結末を迎える、何とも欲張りな物語であります。それでいて詰め込み過ぎず、スピーディーな展開にそつのない話運び、一転も二転もするプロットはなかなかのクオリティ。主人公は盗掘屋の少年でして、魔法騎士のヒロイン、共闘することになる竜騎士よりも戦闘能力は落ちるものの、彼が主人公であることにきちんと意味を持たせて、活躍を引き立てています。タイトルやあらすじの地味な印象のために手を取らないのはもったいない一冊。星5つ。 2014/07/11