内容説明
桜散る闇と殺りくの街・スプラッタシティでくりひろげられる”夢の中の「私」”桃木跳蛇とゾンビたちとの壮絶なバトル-今世紀最大、史上空前の悪夢を出現させる笙野文学の代表作にして、現代文学の金字塔、待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
38
レストレスレッグス症候群というのがあって、安静時にあたかも足に虫が這っているようなムズムズする感じが生じる、因果関係が分からないので症候群と呼ばれている症状のことだ。私はあまり不眠になったことが無いので分からないが、不眠の読者は本作のレストレスが直観的に受け入れられるかも知れない。著者の小説は何かを「しない」のだが、意図せずの方がより「しない」ことになる。はまり込んだからといって人生が豊かになる訳でもなく、出来たらそんなものなど気付かない方が良いだろう。ハエ取り瓶にはまり込まなければその方が良い。2026/04/28
あ げ こ
16
私の戦い。押し込められ、傷つけられ、最初からないものであるとされ、消されかかっていた、私の。変換して組み替えて無効化する、意味を無くす、真逆にする、まったく別のものにする、そうして抜け出そうとする、壊そうとする、作りかえようとする、解き放とうとする、抗う、闘い続ける、すべて言葉を用いて。言語に言葉を以って対する。とんでもなく疲弊する闘い。敵はあまりにも根深くてしぶとい。言葉によって暴く。どんどん暴いて行く。狂ったリズム、その地獄めいた世界を構築する言語の、歪みやインチキ、欺瞞であるとか、嘘臭さや胡散臭さ。2020/11/14
ホレイシア
4
究極の言葉遊び、というか駄洒落のオンパレードというか。2008/01/02
あ げ こ
2
歪んだ観念・伝統・慣習を盲目的に遵守するゾンビ共との戦い。延々と続く悪夢の正体は、既存の女性像に対する作者自身の結論の一つであり、彼女を襲うゾンビとの戦いは、その結論に基づいた形の女性として在り続ける為の、命がけの戦いであると思う。彼女を否定する者、彼女の足を引っ張る者、彼女を蔑む者、彼等との隔たりを恐怖する、彼女の心に潜む弱く醜い影の部分。それ等全てを象徴する悪夢との、命を掛けた殺し合い。白熱の言語ゲーム。物語を動かすパワー、物語の原動力である怒りにも似たその力は存外心地よく、一気に貪り読んでしまった。2013/08/27
大福
2
強烈なエネルギーに満たされているが、何しろ難解。どう読めばよいのか。しかし、この作家が言語と戦っているのだということは分かった。たった一人で、自分の内側にある自分と戦っていくと自分が「女」という存在であるということにぶち当たる。その「女」という存在にさらに切り込んでいくのだが、ここがかなり複雑。「女」であることは逃れられず、それでも「女」であることに挑む。ワープロ(言葉?)の中で、言葉に対して言葉を使って戦う。「女」であるとは言葉の問題であり、言葉とは世界を認識する手段であるからなのか?と解釈してみた。2013/08/01
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