内容説明
高橋泥舟は、勝海舟・山岡鉄舟と共に幕末の三舟の一人として名高い。しかし、幕府崩壊後、彼は海舟や鉄舟のように明治政府に出仕することを潔しとせず、旧主徳川慶喜との誓いをまもり、終生世に出ることはなかった。徳川家に殉じ、赤貧に甘んじながらも清廉に生きた、一武人と江戸市井人への鎮魂の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
折登大輔
1
幕末の三舟と言われた3人の内のひとり、高橋泥舟の物語。残りの二人に比べると、名前こそ知っていても「何をした人?」と聞かれたらなかなか答えられる人はいないのではないだろうか。ただ、日本武道を学ぶ人であれば、この武人の生き方にある種の共感を抱く人も少なくないと思う。沈みゆく船の中で動じずに生き抜く。技を持って自分を磨く、というのはきっとこういう事なのだ。「虎は死して皮を残す」とはこの人の事を指すのだろう。2013/08/13
カツオ
0
勝海舟、山岡鉄舟と共に、幕末の三舟と謳われた高橋泥舟の物語。先の2名についてはいろいろな著作で知っているのだが、泥舟は初めて。読み終えて、正直三人の中で一番興味を持った。維新後も請われながら決して出仕せず、貧に準じて忠義を通す。これが、本当の忠誠であり、義ではなかろうか。その生き様に感銘を受けた。2009/12/07
Kanou Hikaru
0
本棚の整理中・・・ 友人・知人に紹介したい本。華麗なり。オトコなり。人生観が変わるかも。