内容説明
連続殺人の犠牲者は、みな雛人形を抱えていた。名人人形師の遺作という五体の人形には、どんな秘密が隠されているのか。日ごろ子どもに手習いを教える異色の同心いろはの左近は、この謎をどう解く?推理小説の手法も鮮やかな表題作をはじめ、般若面をつけた生首の怪を追う『鬼面三人組』、刺青を彫った死体ばかりが盗まれる『美しき白鬼』など、巨匠の抜群の小説技巧を示す初期捕物帳七作を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Steppenwolf
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角田作品についてこれまで長編伝奇時代物しか読まなかった。今回は短編の捕物帖でことのほか読みやすかった。2007/10/14
ちゃかぱん
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タイトルから怪奇のだと思ったら、ミステリーだった。伝奇時代小説という初めてのジャンルとても面白い。巻末エッセイにリアル乱歩まででてきてびっくり。他の伝奇時代ものも読んでみたい。2013/03/04
MIRACLE
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筆者が戦前に発表した捕物帳を集めた作品集。いろはの左近(2編)、女形同心(2編)、単発(3編)を収録。乱歩の探偵小説(謎解き・猟奇)を江戸を舞台に描いたような作品がおおい。また、会話が時代がかっている。そのため、読書のリズムに影響が出てしまうのが難。2013/01/26
ケイト
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角田捕物帖、どれも面白く読みました。ただの市井の推理ものに終わらず、物語のひろがりを感じられる工夫がそこかしこにほどこされてあるから、読みごたえと満足感がしっかりとあって。左近さんと仙吉くんのお話は登場人物たちの活躍(仙吉くんのけなげなこと!)も楽しく、たった二編だけなのが悔しいくらいです。他も負けず劣らぬ作品で、「悪魔凧」の暗く寒々しい幕開けから意外な事実とともに決着した幕引きの悽愴さが特に印象的でした。角田作品の醍醐味を味わえるのはやはり長編ですが、短編にもそのすばらしさはつまっていると想います。2018/03/31
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