内容説明
ベトナムに特派員として3年半赴任していた著者が、離任した後、現地でいまだ続く激動のドラマを書きとめてきた記録をまとめたもの。20年の歳月を経て彼らが得た物は何だったのか。数奇な運命の数々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつ
2
毎日新聞の記者として、ベトナム戦争(1975年終結)を見てきた著者。その中で知りあった人物たちの戦後の生活を見聞きすることで、戦後20年のベトナムの変化やベトナム戦争の意味について考えているのが本書の内容である。南ベトナムのサイゴン陥落直後から90年代に至るまで、たくさんのベトナム人が祖国から脱出した。アメリカへと渡った人も多く、その彼らと歩みをともにするようにアメリカ勤務となった著者が脱出者に話を聞聴いていた。事実を正確に伝える立場であるはずの著者が本書では推測や願望で章を締めているのが印象に残った。2019/03/07