内容説明
極東国際軍事裁判で処刑を宣告され、断頭台の露と消えた戦犯たち。彼らの死をめぐる事実関係を洗い直し、知られざる戦争の側面を浮彫りにした力作。
目次
13号鉄扉
血染めの足型
以来、一言もふれず
日記の中の妻
チリ紙に書かれた自叙伝
だから死んでもいいとは言わぬ
故郷の水音
戦犯タクシーの苦悩
余った遺体
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
176
いつか読みたいと思っていた。上坂冬子さん、容赦なく斬る!の感じ。容赦などある訳も無く、事実はどう取り繕っても事実なのだ。「人道的に戦争に参加する」は詭弁だ。『世紀の遺書』がどんなモノか私は知らない。A級戦犯だけが処刑されただけじゃない。無条件降伏による敗戦のなんと理不尽な事か。いち庶民だった彼らや「あの世ではまさか朝鮮人とか、日本人とかいふ区別はないでせうね」と逝った方達が確かにいたのだ。日本民族は未来永劫忘れてはいけない事実だ。一度では咀嚼しきれない内容だった。その扉が現存されていると知った。何故今・・2018/10/11
H
1
重たくて衝撃的な内容だけど、日本人としては決して目を逸らしてはいけない事実であることは間違いない。2018/11/01
ヨウゾウ
0
BC級戦犯の実態に迫った序章を含めて全十篇のノンフィクション短編集。日本軍の規則に従った行動を、日本が批准していないジュネーヴ条約違反に問われ絞首刑になったケース、戦後の朝鮮人軍属戦犯の理不尽な扱われ方等々すべてに憤りを感じます。日韓関係に軋轢がいまだに残っていることも判るような気がしました。そもそも人道的な戦争などあり得ません。2025/04/10
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