内容説明
春団治と仇名され通称“ダンさん”。大阪府警御堂筋署の岩切鍛治は、上司にも平気で噛みつくベテラン刑事だ。市内で起きた婦女暴行殺人の決着に不審を覚えた彼は、独り地を這うような捜査を開始する。事件の背後に蠢く巨大な陰謀とは? 悪に挑む下積み捜査員の執念と無私の活躍を描く正統派警察小説の白眉(講談社文庫)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
52
正統派警察小説の傑作という事で読んだのですが、残念ながら私には合わない様です。第一印象は、こんな刑事が居たら家族から犯罪者が出るのではないか、でした。情報を得る為にお金を払う、と言えば聞こえが良いが、どちらにしろ家庭の生活に差し障りが出る出費、本当に必要ならきちんと経費にするべき。出来ない事なら、仕事とか正義とか振りかざすべきではない。刑事なら認められた権力のもと、能力と努力の積み重ねにより、情報収集のプロであるべき。警察だけではない、各々の職業に特化した能力を研くのは、当たり前の事ではないのでしょうか。2015/06/17
Syo
19
面白い2023/03/08
ヨーコ・オクダ
17
「署長刑事」シリーズ同様、コテコテの大阪弁。シリーズ1作目のため、警察内の事情の説明がちょこちょこ出てくるんやけど「署長刑事」での話とダブっているところが結構あったりw主人公は、万年刑事長の岩切。いつも通り、チームからはみ出しながらの捜査の結果、殺人犯を逮捕。ただ、そのきっかけとなった遺体写真の闇販売については、どうしても犯人が認めない。そこで、再び岩切によるはみ出し捜査開始。犯人は…?濃ゆい人情モノ色と本格推理モノ要素が同居する不思議な作品。解説が森村誠一センセ。豪華〜!2015/09/13
シロー
12
姉小路さん初読でしたが主人公のキャラは立っているしサブキャラも悪くない。事件の背景も面白いし警察の問題点も描けている。それでもイマイチ盛り上がらないのは前半、主人公があまりにも孤立無援で読んでいて辛い。真相を追求したいのは分るが殺人については解決しているのに単独行動は勝手過ぎにも映る。TV芸人と違ってこちらが本物の大阪弁なんだろうけどかなり読み辛い。気になる点も多いがラストは良かったし、解説で森村誠一御大が絶賛されているので他作も読んでみようと思います。2017/01/25
LIBRA
10
初めての作家さんでしたが、凄く面白かったです。解決したか?と思わせておいて未だ未だ続きます。刑事の執念みたいなものが良く描かれていました。主人公のはみ出し具合が良いです。また別の作品を読んでみたいです。2015/10/29