内容説明
江戸下町・鈴河岸の一丁長屋で暮らす鈴づく職人・剣次郎には、自慢の宝があった。代々伝わる“長十手”、どんな刀より硬く立派な代物だ。そんな剣次郎のもとにある日、町方与力から辻斬りの刀を折れとの密命が届いた…!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅(mokomoon)
25
初読み レビューで気になり手に取りました。 こんなに幸せ落ちる?かな?と変に気を回しながら最後まで読みほぉ~っと読み終えられました(*^^*) 良かった(#^.^#) 剣次郎さんの素直でまっすぐな生き方好きです。2013/11/18
はま
25
初めての半村良。大好きな西条奈加さんの「恋細工」と同じ錺職の本があると小耳に挟んで手に取りました。どうしても恋細工と較べてしまうんですが、打ち上げ花火の様だったあちらの錺職人・時蔵と、本作の主人公・剣次郎はまさに真逆。ラストの展開なんて天と地ほど差があります。でもこちらの方が錺「職」としてのリアリティたっぷりで、この本も凄い好きです。そして後半のイチャイチャっぷりが微笑ましすぎ(笑)2013/10/22
文庫フリーク@灯れ松明の火
24
???なぜ3ユーザーしかいない(苦笑)職人もの単品としては、高田郁さん『みをつくし』山本一力さん『銀しゃり』に勝るとも劣らないのに。あ、料理ものではないからか(笑)『鈴作りの若き名人・鈴河岸長屋は錺(かざり)職人の剣次郎』これだけで私にはツボだけど(笑)笑いあり、涙ありの人情噺。名人上手の噺家さんの心地よさ。芸達者と言ったら半村良さんには失礼か?作家としての評価低すぎる気が。幅広く、何でも書ける名人だからこそ、ファンが固定化しないのだろうか。もっと見直されても良い作品・作家さん。2010/05/26
浅葱@
17
読み友、文さんお勧め本。時代物の味わいたっぷり。錺職人の剣次郎。一つ一つ考えながら教えてもらう奢らない姿。周りの人たちもみんな人がいいだけじゃない。人も自分も何とか身が立つようにして精一杯に生きているのが伝わってくる。心持ちの良さ。お天道様に恥じない真っ当さ。いろんなものが溶け込んでいて、じんわりと広がる余韻ありでした。2013/05/29
はなん
17
えー。。消えた。。感想が消えた。。(ボタン間違えた…凹)気を取り直してもう一回。この方の江戸物はこれで3冊目。。過去に若干ややっこしい事情を持つ錺職人の剣次郎を主人公に職人としての生き様を生き生きと描き出す手腕はさすが半村作品。物を作り出す職人と武士との何気ない対比も味がありまた切なさもあり。。幕末という時代に舞台を持ってきた一つの意味かな。読後感は気持ちよく、「どぶどろ」よりも希望ある未来が見える。2012/04/15