笠間叢書 大伴坂上郎女

著者名：東茂美【著】

笠間書院（2015/01発売）

• ISBN：9784305102799

内容説明

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

大伴坂上郎女の全作品を読み直し、女流和歌史の上での位置づけをはかる。さらに、天平の女歌から後世へどのように享受されていくのか、歌の表現方法や中国文学との比較研究を通して、考察していく。

目次

1 序論(女歌への視準
寵の文芸化)
2 歌のことば(封じこめる愛語
神さぶ ほか)
3 坂上郎女と中国文学(名児山越えの歌
卞和の壁 ほか)
4 坂上郎女歌のその後(類歌をつなぐ
ある「未通詞恋」歌の始発 ほか)
5 終章-中世和歌における坂上郎女像
目次 / p1
はしがき / p1
一 序論
第一章 女歌への視準 / p15
一 序 / p15
二 女歌の伝統 / p17
三 坂上郎女の歌 / p20
四 結 / p23
第二章 寵の文芸化 / p33
一 序 / p33
二 左注の拮き / p36
三 麻呂贈答歌の左注 / p46
四 寵の諸相 / p50
五<坂上郎女ものがたリ> / p59
六 結 / p68
二 歌のことば
第一章 封じこめる愛語 / p79
一 序 / p79
二「待たじ」とうたうこと / p80
三 愛語 / p84
四 女歌の一面 / p88
五 結 / p91
第二章 神さぶ / p94
一 序 / p94
二 表現の諸相 / p95
三「神さぶ」とうたうこと / p98
四 挑発 / p102
五 結 / p107
第三章 老女の懸想 / p110
一 序 / p110
二 老女・点描 / p111
三 懸想 / p116
四 老いを装う-拒絶の論理- / p121
五 対を侵す / p125
六 結 / p132
第四章<通ひ路>の創造 / p136
一 序 / p136
二 迂回と円環 / p137
三 待つ女 / p139
四 徘徊する男 / p143
五 結 -<通ひ路>を創る- / p150
第五章 朝戸出の君 / p157
一 序 / p157
二 出でて去なむ時 / p159
三 妻恋しつつ / p164
四 結 / p171
第六章 田園から愛娘に / p174
一 序 / p174
二 歌の表現の基幹 / p180
三「刀自」と「なね」 / p190
四 田園から / p203
五 結 / p212
第七章<咲まひ>論 / p219
一 序 / p219
一 歌の解体 / p224
三 表現の始原から / p233
四 男たちの<咲まひ> / p246
五 結 / p258
補説 / p268
付載 ゑむ / p277
第八章 挑発する萩 / p282
一 序 / p282
二 小景類聚 / p283
三 萩の恋 / p289
四「をそろ」の萩と晩の萩 / p292
五 結-萩の呪縛- / p298
三 坂上郎女と中国文学
第一章 名児山越えの歌 / p305
一 序 / p305
二 詞章の古層 / p306
三 大宰府の文芸 / p309
四 文苑の揺曳 / p312
五 結 / p313
第二章 下和の璧 / p315
一 序 / p315
二 璧 / p318
三 枕 / p325
四 結 / p331
第三章「怨恨歌」論 / p334
一 序 / p334
二 海彼の薫風 / p336
三 対・怨恨の像 / p340
四 風流士・遊士 / p346
五<班?■>の文学 / p354
六 坂上郎女の<班姫怨> / p373
七 結 / p377
第四章 房中祀楽-「祭神歌」論- / p383
一 序 / p383
二 題詞の問題 / p384
三 左注の検討 / p387
四 君の素性 / p392
五 祭主 / p401
六 郊廟歌辞 / p405
七 外来楽の盛時 / p412
八 結-房中祀楽- / p416
第五章 霏の詩想 / p426
一 序 / p426
二 涙 / p429
三 雲居たなびく / p436
四 霏の詩想 / p440
五 結 / p444
第六章 思婦の文芸 / p449
一 序 / p449
二 聖武への恋歌 / p450
三 文雅の宴 / p454
四 にほ鳥と鴨と / p464
五<思婦>詠 / p468
六 有情の禽 / p476
七 結 / p485
第七章 私愛と公義と / p491
一 序 / p491
二 ますらをの像 / p493
三 家婦の理 / p508
四 疎外される<母> / p524
五 結 / p529
四 坂上郎女歌その後
第一章 類歌をつなぐ / p539
一 序 / p539
二 類-るい- / p540
三 転移する歌 / p546
四 家持集から / p551
五 結-付帯される想い- / p559
補説 / p566
第二章 ある「未通詞恋」歌の始発 / p575
一 序 / p575
二 恋の歌二首 / p575
三 姫百合・夏の野 / p578
四 春海の嚢中 / p585
五 歌の系脈 / p589
六 結 / p593
第三章 古今和歌六帖の坂上郎女歌 / p597
一 序 / p597
二 六帖の女流 / p601
三 旋頭歌と長歌 / p611
四 重出歌 / p623
五「坂上らう女」の歌 / p635
六 結 / p647
五 終章-中世和歌における坂上郎女像-
一 序 / p653
二『新続古今』のなかの万葉歌 / p654
三「心憂し」 / p661
四 坂上郎女の供養 / p670
五 結 / p683
附?《万叶集》中的女?人与中国古典文学 / p1
あとがき / p703
所収論文初出一覧 / p707
索引(和歌・漢詩文) / p713