内容説明
2030年、他民族雑居化が進んだ東京は、首都機能を失い犯罪の巣窟と化していた。そんな中、東京を脱出した者たちが「東北自治区」と呼ばれる日本人だけが暮らす独立国家を作った――自治区で行政官として治安警備を司る月岡耕司に、ある日、首長の家出した娘を捜索する命令が下された。彼女が無法地帯・東京に潜伏していることを掴んだ月岡は、自らも東京に潜入。だが、そこで目にしたものは驚くべき光景だった!巨匠が描き出すとてつもない近未来像。『二〇三〇年東北自治区』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dzuka
2
30年以上前に書かれたものとは思えない、いまでも十分通じるSF作品。 2030年を舞台に、都市部には移民が入り込み、それを嫌う富裕層が、新しい技術を駆使して、東北地方に独立国を運営するという設定。映画「アイランド」の舞台のような工場、福島第一原発事故の差別と原発利権、伝染病の流行など、現在を思わせるネタか盛り沢山。作者の先見性に脱帽。 一方、電話やパソコンについては実際の方が、圧倒的に進んでいる。アトムも黒電話だったし、この点は想像できなかったか。 グロテスクさはなく、題名で損をしている。 2022/03/31
hinata
2
「二〇三〇年東北自治区」をだいぶ前から読みたくて図書館で探したが無いのであきらめていたら、なぜだか借りれることになった、どこにあったのかわからないまま借りれたので良かった。改題されてたとは、まあ1992年発行の古いだったが原題の本を読めてよかった。2017/08/07
TEDDY曹長
1
まぁ半村さんらしい作品。終わらせ方が少し微妙でした2013/01/12
Pink長官
1
こういう風になったら怖いな、となりそうな話しかな2012/07/26
鮮花
1
2030年東北自治区改題 前の題の方がわかりやすい2012/03/01