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内容説明
勇気にあふれ、理想主義をつらぬいた偉大な大統領なのか、スキャンダルにまみれた、救い難い愚劣な人間なのか―暗殺後30年を経た今もなお、アメリカ第三五代大統領ジョン・F・ケネディをめぐる論議は尽きることがない。JFKにまつわる神話と伝説をつきぬけて、光と影に彩られた人間ケネディの実像に迫り、彼が生き、また彼が生みだしたメディアの時代を検証する。
目次
1 少年時代
2 青年時代
3 戦争から政治へ
4 合衆国大統領ケネディ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
35
伝説の名大統領・ケネディの実像にびっくり。曰く、親の七光りの中の名声作り、造られた太平洋戦の英雄伝、議員時代の不活発ぶり、乏しい人脈と不見識、難病をものともしないプレイボーイぶり。出るわ、出るわのバッド・インプレッション。しかし、彼はニクソンとの稀な接戦を、ニューメデイアのテレビを縦横に活用して勝利。就任後はキューバ危機克服と劇的な死によって伝説となった。あれから60年トランプ2期目を前に、メデイアは分断分断と騒ぐのだが、中身は違えど事の本質に変わりがないように見えるのが不思議に感ずる本書。(94年刊) 2024/11/14
James Hayashi
33
母はボストン市長の娘、父は銀行家であり映画会社も所有、後には駐英大使になっている。 しかし両親からの愛情はなかったと云われている。病弱で絶えず薬を服用し、恵まれた家庭から出た潤沢な選挙資金。容姿端麗でスピーチの上手さ。しかし議員としての評価は低い。スピーチはセオドア・ソレンセンという大統領特別顧問による。キューバ危機で評価されているようだが、核戦争まで紙一重であり、JFKだけに留まらず全世界が運の良さを感ぜずにはおられない。悲惨であり謎めいた暗殺であるためレジェンド的に扱われている大統領。続く→2019/03/18
ジュンジュン
13
50年代のアメリカ…超大国、繁栄を謳歌、中間層の充実、テレビの普及、怖いものなしのイケイケな雰囲気。ケネディをそんな時代の申し子として描く。当初はリーダーとして未知数、人間として未熟でも、キューバ危機や次男の死を乗り越えた後、即ち死ぬ直前のケネディは違っていたはず。もし、二期目があれば、名実共に偉大な大統領になれたかも。そう夢想させる魅力が、ケネディにはある。2021/07/28
T. Tokunaga
4
ケネディの、公人としての手腕と、政治家としての無策と、私人としての欠陥がよくわかる1冊。安倍晋三を思い出すが、このふたりを分けたのは、おそらく取り巻きの質だろう。とはいいつつも、そもそも日本で公人的知識人として活動する人間のレベルを考えると、むべなるかな。2023/08/16
(ほ)
0
近代的な大統領の先駆けだったんだなぁ2012/04/03