内容説明
ヤク中で慢性自殺志願者のブンガクさん。浅草置屋の娘で、文学少女のくせに暴走族にも一目置かれているタカミ。二人を乗せたフェアレディZ改は、深夜の中央高速を疾走(はし)った……。――H・M・C(ヘヴィ・メタル・カフェ)。レコードすらかけられない元ライブ・ハウス。ここには、毎夜社会不適合の若者たちが集う。辿り着いた二人は、彼らとともにH・M・Cを後にした。北へ――。刺激を求め、快楽を貪るために。音楽(へヴィ・メタル)と単車(バイク)。薬(ドラッグ)と暴力(パワー)。救いのない魂(ソウル)の行方を描く感動の青春ロード・ノヴェル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たーくん
6
再読→→→ヤク中で慢性自殺志願者のブンガクさん。浅草置屋の娘で、文学少女のくせに暴走族にも一目置かれているタカミ。二人を乗せたフェアレディZ改は、深夜の中央高速を疾走った…。H・M・C。レコードすらかけられない元ライブ・ハウス。ここには、毎夜社会不適合の若者たちが集う。辿り着いた二人は、彼らとともにH・M・Cを後にした。北へ―。刺激を求め、快楽を貪るために。音楽と単車。薬と暴力。救いのない魂の行方を描く感動の青春ロード・ノヴェル。 2019/12/02
みん
3
ナナハンのバイクであるカタナに乗る暴走族集団が、北海道を目指してツーリングを始めるという内容らしくて買ってしまった本。暴力シーンはあまり個人的にはいただけないが、ツーリングのシーンは、若い自分を思い出して心地よかった。純粋にツーリングだけをテーマにした青春物語があれば読んでみたい(誰か教えてください)。2015/10/18
Naoki Tanaka
3
花村萬月の初期作品でオートバイで旅する青春小説。 今の作品と比べると目を背けたくなるような暴力シーンや細やかな感覚を描いたシーンはなく物足りないが、登場人物のキャラが独特で何だかんだ言って一気に読んでしまった。バイクには乗らないがどこか宛てもなく遠くに行ってみたい気分になった。2014/01/20
たか。
3
ちょっとこの作品の登場人物とは、友達になれそうにないかも。2010/02/24
聖月
3
▲本書『重金属青年団』は、仲間の物語である。ヘヴィ・メタル・カフェに集う、バイク(カタナ)ライダーのお仲間の物語である。そして、そのお仲間が、梅雨のない北海道を目指して走る道行物語である。萬月作品らしく、性愛も暴力も哲学を内在する物語である・・・が、どこか中途半端な感は否めない。『笑う山崎』や『二進法の犬』と同様のものが内在するのだが、圧倒してくる世界観が不在だからなのかもしれない。初期作品としての粗削りの良さはあるのだとは思うのだけど、背骨が通っていない作品である。背骨なんか必要ない小説もたくさんあるけ2006/04/28