内容説明
十九世紀末、フランス統治下のベトナム。政府は民族独立を掲げる神出鬼没のゲリラ〈九頭の龍〉に手を焼いていた。彼ら一味を殲滅せんとする仏大佐メニュリーは作戦「オペラシオンU」を計画、伝説的な工作員モンギランを起用する。“U”とは一体何を意味するのか? 一方、日本帝国海軍は新鋭巡洋艦「畝傍(うねび)」を仏造船所に発注、軍備増強を目論む。それを阻止せんとする清国工作員……。長篇海洋冒険小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
8
最初読んでいるうちはベトナムで抗仏戦争続けるゲリラの話になるのかと思っていたら、スパイもので謀略が飛び交う話でした。あとがきによるとフランスで造られた日本海軍最初の軍艦である「畝傍」の消失事件の謎を独自解釈した一作でした。そのゲリラの主導者が九頭の龍と呼ばれた人物という設定ですが、なんでも日本人にされるとちょっと萎える。最初から畝傍のこと(そもそもが知らなかったのでどうしようもないですが)とわかっていたらもう少し楽しめたかもしれませんが、期待と違ったので面白みが半減しました。2019/01/19
kanamori
1
☆☆☆2011/10/18
フレデリック
0
ミステリーにする必要あったのか、ちゃんと誰が誰か明確にして進めてもらったほうが面白かったんじゃないか、と思ってしまった。フランス領インドシナに抵抗するベトナムレジスタンスが戦い散っていく、みたいな方が見てみたかったな。まぁ著者としては軍艦「畝傍」が主役とあとがきに書いているくらいだから抗仏闘争がメインにはならないのかもしれないけど。でも途中緊迫するシーンなどもありまぁまぁ楽しめた。2024/03/09