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内容説明
地球上の動物は、外観上、おおむね左右のバランスがとれているが、それをアミノ酸や核酸といった分子のレヴェルで見ると、そのバランスは完全に崩れているのである。このアンバランスは、身近なこととしては薬の効果や食物の味・香りの違いなどに現われ、一方、生命の起源や宇宙の非対称といった、より根元的な問題を解く鍵をも握っている。本書は、生命体だけが持つ、この非対称性が何に由来しているのかを探る壮大な試みである。
目次
第1章 右の世界、左の世界
第2章 対称とは、非対称とは―靴と靴下の原理
第3章 対称な生物界―マクロの世界
第4章 分子の世界
第5章 非対称な生物界―ミクロの世界
第6章 キラルな医薬品の開発
第7章 生物界はどのようにして完全に左右非対称になったのか―素粒子の世界、宇宙の非対称、そして生命の起源
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jam
63
本書は1992年出版であり実験手法やデータ等、現在と乖離する内容もあるが、生命を分子レベルで読み解きながら、宇宙の起源を考えるという壮大な意図を持った著書である。分子生物学の知識があるとより解り易いが、生物が外観上概ね左右対称なのに、アミノ酸や核酸という分子レベルで見ると鏡像非対称(完全に重合しない)なのはなぜか。から、アミノ酸の非対称の片方のみがなぜ選択的物質基盤になったのかまで、生物や宇宙の起源まで遡り理論検証する。ミクロとマクロの視点切替は、社会を比喩的に俯瞰する思考訓練としても秀逸である。2016/05/11
Steppenwolf
3
本書は,対称性という概念から眺めた生物に関する書籍であった。もともとは別の本に参考書として上げてあったので購入して読んだ。ためにもなるし面白かった。ただ第一章に纏められた対称性に関する説明は,大変緊密でここで挫折してしまうほどである。実際私はここで挫折して再度初めから読み直した。2010/12/31
我喜屋早織
3
文系の私にはさっぱりわかりませんでした。。本当にこれは一般向けなのだろうか…。私の理解力に問題があるのだろうか。。あと、ちなみにこの方はお茶大出身ですよ。2013/09/03
しんのすけいしづか
2
カイラリティーと生命の起源についての関係に興味があり読んだ。結晶学などでよくみかける対称性についての復習になったが、目的の生命起源についてはクリティカルな洞察は得られなかった。
めい
2
切り口が斬新で面白い面もあったが、ほぼ難しくて、ななめ読み。2013/07/11
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