中公新書<br> ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学

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中公新書
ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学

  • 著者名:本川達雄【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 中央公論新社(2013/11発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121010872

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内容説明

動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのである。本書はサイズからの発想によって動物のデザインを発見し、その動物のよって立つ論理を人間に理解可能なものにする新しい生物学入門書であり、かつ人類の将来に貴重なヒントを提供する。

目次

第1章 動物のサイズと時間
第2章 サイズと進化
第3章 サイズとエネルギー消費量
第4章 食事量・生息密度・行動圏
第5章 走る・飛ぶ・泳ぐ
第6章 なぜ車輪動物がいないのか
第7章 小さな泳ぎ手
第8章 呼吸系や循環系はなぜ必要か
第9章 器官のサイズ
第10章 時間と空間
第11章 細胞のサイズと生物の建築法
第12章 昆虫―小サイズの達人
第13章 動かない動物たち
第14章 棘皮動物―ちょっとだけ動く動物

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月讀命

155
「生物によって時間の感じ方が違うんじゃないか」こんなテーマの本です。結構、難しく3年かかって読破。全ての生物の鼓動数は、大きいサイズ(ゾウ)も小さいサイズ(ネズミ)も一定であり、鼓動回数と個体のサイズから計算して、人の寿命は40余年とのことである。生物学的に見れば、私はとっくに死んでいる年齢だ。今生きているのは、食物連鎖からの逸脱、農耕と貯蔵、医学や薬学の進歩、自然環境の改善等、諸先輩方の努力のおかげである。そのことに感謝するとともに、生きながらえさせられている我々は、未来の人類になにか貢献すべきである。2012/09/10

まーくん

110
我が家のハムスター、ある日体重を量ってみたら63g。自分は63㎏。ちょうど1/1000!ハムスターの寿命ははかなく2,3年だそう。で、ハムスターの寿命3年、自分の寿命100歳と見積もれば(ちょっと無理か?)、寿命比は体重比のなんと1/2乗。もっともらしい。彼我の時間の流れは√1000で約30倍と妙に納得。でも本書を読むと寿命は体重の1/4乗に比例するらしい。当然、もっとしっかりした科学的根拠で論じています。他にもいろいろ興味深い事実・論証多数あり。ちなみに我が家のハムスターは2歳11か月で亡くなりました。2017/04/09

absinthe

110
象もネズミも、それぞれの心臓の鼓動の間隔で割ってみるとその寿命は同じだと言う。つまり、生涯の心拍数は動物で共通なのだ。象は長生き、ネズミは早死にというのはあくまでも人間の眼鏡を通しての話。サイズはそれぞれ異なっても、実は共通の法則にしたがっている部分もいろいろあるのだ。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

104
♪ゾウさんも、ネコもネズミも、心臓は~♪この奇妙な歌とともに「歌う生物学者」本川先生存在を知ったのは大学生の頃だった。その後発売されたこの本を読んで、時は流れてうん十年。動物のサイズが、寿命や行動速度、行動範囲などなどいろいろなことに影響を与えており、それがゾウリムシのような単細胞生物からゾウやクジラなどの大きな生物まで一定の規則にあてはめられることは実に興味深い。♪ドッキン、ドッキンドッキンと20億回打って止まる~♪だそうなので、あんまりドキドキするのはやっぱり体に良くないんだね。(笑)★★★+2018/03/08

小梅

103
象でも鼠でも、心臓が鼓動する回数は概ね同じ回数だという事は、以前何かで見て知っていたが、さらに生物学的な内容になっている。2013/11/27

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