内容説明
道徳的にせよ政治的にせよ,正しいこと,正義を広め実現していくには,社会の運動法則をきちんと見極めてかからないと,とんでもない逆効果をおこしかねない。世界で最初のもっとも徹底した動物愛護の法令を定めたのは徳川将軍・綱吉だった。俗説と異なる理想主義を検証し,道徳や政治の問題を社会の法則とからめながら考えることができる。〈生類憐みの令〉の実態を初めて明らかにした本。
★★ もくじ ★★
第1部 〈生類憐みの令〉の範囲
第2部 〈生類憐みの令〉の成果 ……犬の場合
第3部 〈生類憐みの令〉の起源とその継続と廃止
第4部 〈生類憐みの令〉年表 ……本文にもれた話
付 録 授業書〈生類憐みの令〉
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目次
第1部 〈生類憐みの令〉の範囲
第2部 〈生類憐みの令〉の成果―犬の場合
第3部 〈生類憐みの令〉の起源とその継続と廃止
第4部 〈生類憐みの令〉年表―本文にもれた話
付録 授業書〈生類憐みの令〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おたま
34
五代将軍徳川綱吉は「犬公方」とか「犬将軍」と呼ばれている。それほど犬を大切にした将軍だった、というイメージをもっていたし、この「生類憐みの令」も、動物を大切にする法令ぐらいのイメージで、それ以上は知らなかった。しかし、この本では、綱吉の「生類憐みの令」について、従来知られていたよりも更に深く調べ尽くしており、曖昧なイメージを覆してしまうほどの内容になっている。綱吉は、私たちが思い描く以上に徹底的に、一貫して「生類憐み」を政治によって根付かせようとした。この本を読むと、まさに目から鱗のオンパレードである。2024/04/26
たろーたん
3
1686年から1709年までの22年間続いた徳川綱吉の生類憐みの令は、実は犬以外にも、馬や牛、鳥類、害獣とされる猪や狼も対象だった。ただ、絶対に殺してはいけない訳ではなく、むやみに殺してはいけないということで、害する場合に殺すことや食べるために猟師や漁師が猪や鹿、魚を取るのは許されていた。しかし、逆に言うと、漁師以外は釣りで最中を取ってはいけなかったみたい。さらに、うなぎや兎も禁止で、アサリやハマグリも禁止しようとした(貝類に関しては貧しい人々の生活を破壊するから例外とされた)。(続)2024/01/14
takeapple
2
生類憐みの令について考えたいと思い読んだ、中学校での社会科や道徳の授業で使えるように書いてあるので簡潔で分かりやすい。前半と、後半の授業書の部分は重複もあるが、授業書はコピーして使うことが前提なのでそういうものだろう。どんなにいいことでも、権力で押し付けることの危うさ。政治とは何なのか、正義とは何なのか、今だからこそ、綱吉のやったことから考えることが必要だと思った。関ヶ原から80年後に将軍になった綱吉、大坂の陣が1615年、島原の乱が1637年、すると戦後70年の現代と似ているのかもしれないなあ。2015/11/16
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