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内容説明
世の中は「こころの時代」だといわれている。忙しすぎる現代人よ、あなたが見失ってしまったものは一体何だろうか? あくせくと「今日」を生きるあなたには、草木や風が語りかける声が聞こえているだろうか? 「豊かさ」の中での忘れもの、それは“一滴の水にも命がある”ということの実感や想像力かもしれない。日本人の中に、長い歴史をかけて脈々と受け継がれてきた森羅万象への濃やかなまなざし。そこから、静かにそしてゆっくりと伝わってくる木肌のぬくもり。乾いた心に染みわたる、静謐で滋味あふれる水上勉の珠玉のエッセイ集。
目次
1 一滴の水(灯明代十三銭;木挽きのひとり言;小さな目;おりんの墓 ほか)
2 才市の指痕(鎮守;ある外科医の死;遠い町の友だち;奇妙な桜;柿の実 ほか)
3 若狭いさざ(魚籠の話;筆の道;宇野浩二先生の机;物に教えられる;へしこの話;天気予報の悲しみ ほか)