内容説明
腐敗の危険をはらむ絶大な権力をもつ警察組織の中で屈折してゆく刑事の人間性をあばき、悪徳警官ものの新ジャンルを開いた代表作。〈解説〉権田萬治
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
奏市
10
面白かった。好きな作家の佐藤正午さんの本に出てきた為買っておいた。1963年の作品。刑事もので対立・協力関係にある刑事・やくざ達が基本登場人物で、1人の刑事が行方不明になり話が展開していく。淡々とした地味目な文体が読みやすく安心感ある。誰もなりたくて犯罪者になるわけじゃないよなとしみじみ思った。今は幸せで不自由ない暮らしをしていても人生どう転ぶかわからない。主人公は善人だがその辺周りも自分も信用できないし、してはいけないと敢えて命じている様。この作品に限らず東京の土地勘があれば楽しみ方が全然違うんだろな。2022/05/02