内容説明
才色兼備の女医の卵・彩子は、ハッと息をのむほどの美貌であるうえに気だてもよい。先輩の経営する箱根の温泉診療所に出張を命ぜられ、事件の連続でとまどうばかり。不倫、女子大生のあっけらかんとした性、人生の終着駅を迎えようとする客……。医師でもある著者が、病院で起きる様々な事件を通じて〃本音〃を語る傑作小説。
目次
処女売ります
不倫の虫
会長と孫娘
妊娠女子大生
湯泉町長の愛人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
1
思春期を迎えた男の子は(もしくは晩期思春期でも)もやもやとした不安に駆られて、わりと高い確率で志賀氏の書物と遭遇します。私も身に覚えはあり、志賀氏をそういう作家だと思ってたのですが、著作リストを見ると恐ろしく守備範囲の広い人だとわかります。そんな中で今回初めて、フィクションです。彩子さんは実用本にも登場するキャラのようですが、本書では箱根の温泉旅館で研修医として週末を過ごす身です。のっけから、貞操をあげるとか買ってもらうとか、いかにも昭和なフレーズが飛び交いますが、意外なことに彩子さんは奥手な女性でした。2013/11/08
タカシ
0
週末を箱根の温泉診療所で働くことになった女医彩子の短編集。25年前の作品ですが違和感なくスラスラ読めました。2016/07/02