内容説明
魚の生命(いのち)は香りだ――。浅草の老舗「紀文寿司」の四代目が、永年の経験に裏打ちされた確かな知識によって、限りなく豊かな海の幸の味覚の世界へといざなう。日々、魚に触れ、魚を味わい、魚たちの〈ささやき〉に耳を傾けてきた著者のみが語りうる本物の味談義。
目次
真の食味を伝える香りの意識
赤ワインの余韻を保つ近海シビマグロに漂う血の香り
極上のすし種を楽しむには
魚の肝をおいしく味わうための肝腎な話
世界に誇れる食文化〈干物〉を守るには
煮つめと煮切りの話
可憐なシラウオと個的性なイワシのすし種
塩加減で生きるロマンチックなサケの味
夏場の高級魚カンパとシマアジ
モンゴウイカに関する二,三の弁明〔ほか〕