内容説明
昭和18年4月18日、悲劇は始まった。山本五十六搭乗機の護衛についた6機の零戦は、大任を果たしえず、その重責を負い、次々に南の空に消えていった。若きパイロットたちの非情な運命を悼み、その生の軌跡を関係者の証言に辿る、知られざる戦争の記録。
目次
第1章 運命の序曲
第2章 冷たい記憶
第3章 苦悶の底で
第4章 2つの現場
第5章 縛られた心
第6章 迫りくる死
第7章 青春の散華
第8章 最後の証言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新父帰る
4
山本五十六長官機を護衛した戦闘機パイロット6人の軌跡を綴った本。その前に山本五十六の関連本を読んでいたので、古本屋で見つけた瞬間思わず微笑んだ。著者はある執念を持って書いた。エライ人だけ知られ、名もない人が知られない事に不公平さを感じたというのが動機。こういう人がいてくれるから、このような本が残るのだと実感。書体は小説風だけれども、空中戦などの臨場感は十分に伝わった。生き残ったパイロットや遺族にも直接取材して読者になるべく真実を伝えようとする、真摯な姿勢が窺えて好印象。若くして召されたパイロットに合掌。2019/06/15
まいご
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作者の想像が走りすぎて事実の範囲が判断しづらいのが難だが、「偉い人だけが知られ無名の者は忘れ去られるのは我慢できない」には強く同意する。ものの見方が偏らないよう、こういう末端視点からの物も読んでおかないと。2014/08/20
wei xian tiang
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会話や心理描写の大半は著者の創作であるが、吉田俊雄と違い小説と割り切って読めるので害がない。ガ島やソロモン海戦、また本書のような航空戦のことを書いた本は数多いが中部ソロモン陸戦の戦況はまだ詳しく書かれたものに触れたことがない。戦場の知名度の低さで戦没者を忘れることがあってはならない。是非とも「ビッグ•デス」は読んでみなくてはならない。2014/02/18