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内容説明
人は、侮辱され虐げられても、心の自由や魂の輝きを保つことができるのだろうか。400年前の日本の歴史の中で、このように生きた人々がいた。時の権力者豊臣秀吉によってキリスト教迫害を受けて、信仰に命を賭けて、長崎の西坂の丘に散った26人のキリシタンたち。その中には、12歳、13歳の少年たちもいた。彼らは神をたたえながら明るく喜んで死んでいった。殉教に至るまで彼らを突き動かしていったものは何か、と時代を貫いて輝き続ける魂の自由はどこからくるのだろうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中峰和
2
26聖人の殉教は、サン・フェリペ号事件がきっかけだが、約10年前の1587年に秀吉はすでにバテレン追放令を発布している。だが、秀吉にとって南蛮貿易の実利は重要で、宣教師の活動は黙認の形で続いていた。秀吉を激怒させたのは、奉行増田長盛が漂着したサン・フェリペ号の船長オランディアから聞き取った内容。メキシコやフィリピンを占領し植民地化に力を貸したのはキリスト教のパードレたちだった。貿易の利益は得たいが、キリスト教による洗脳から自らの政権の危機を避けたいのが秀吉の考え。一気に聖人たちの処刑に結び付いたようだ。2020/05/10