内容説明
舞台は主として武州、甲州、相州の三国にまたがって展開する。わけても、武蔵野の北限、人外境の高麗村がこのロマンの発祥地。いま鬼女面が渡っている狛家には、かつてピオが逗留したことがあり、夜光珠の短剣のゆかりの地でもある。魑魅魍魎のとぐろを巻く甲府城下。少年次郎の冒険心をそそる藪や沼の女影(おなかげ)の迷路。――詩情あふれる文章で、読者を無限の空想に浸らせる快作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
89
話は江戸から遠くなっていくような気がしましたが、それはそれでいいのでしょうか。仮面と羅馬の短剣に絡む新たな群衆が現れます。様々な人物たちが入り乱れ、あちこちで暴れつつ、何を求めていくのが、その価値は何かというガジェットにのめり込みました。一体求める者は何処にあるのかという謎が読ませます。日本左衛門を討つという目的を持った金吾。仮面を持ち去ったお蝶。次の巻でどのように収集していくのかが楽しみです。2017/04/16
ちくわ
22
吉川作品は数多いが江戸三国志は著名では無さそうだ…とwikiを読みながら感じる。だが、それで構わない。他人の書評に過敏反応しては気楽に本は読めない…事実、一巻を読み終えた時点で結構楽しめている自分がいる。さて、二巻もご都合主義満載なストーリー展開であり、哲学的なテーマも無く、人生の教訓めいた要素も無く…ただただ心躍る冒険活劇。ふとブルース・リーの言葉「考えるな、感じろ!」が想起された。訳知り顔で小難しい専門用語を駆使し書評を語るだけが全てでは無かろう。 さて、夜光の短刀の行方は? いよいよ最終巻へ突入だ。2025/02/05




