内容説明
大正末から昭和初めの「少年倶楽部」の目ざましい躍進期に、その中心読み物となったのが、佐藤紅緑の諸作と「神州天馬侠」である。織田・徳川の連合軍に滅ぼされた武田勝頼の遺子・伊那丸が、忠義の士に護られて、健気にもお家の再興をはかる。しかし、戦国群雄の圧力の前には――。当時、子供も大人もこの小説に熱狂した。今も、その底力を保ちつづける大衆児童文学の記念碑。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旗本多忙
8
織田、徳川に滅ぼされた武田勝頼公、遺児伊那丸は武田家再興をはかる。若き伊那丸を助ける武田の元家臣軍の面々。幻術使いの果心居士、忍剣、蔦之助、小文治に龍太郎、そして盗賊の娘、咲耶子らの活躍が躍動感溢れる筆致で書かれた伝奇小説。何だか真田十勇士を思わせる。武田一族ながら徳川にくみした武士の面汚し、穴山梅雪との一騎討ちに手に汗握り、更には富士の裾野人穴城を舞台に、伊那丸軍対、盗賊呂宋兵衛一味、徳川勢の三つ巴戦も読みごたえ満点。本作品は少年向けに著者が書いた初めての長編だそうだが、勿論大人でも相当に面白い!2017/01/12
ちゃま坊
5
子供向け冒険活劇、昔テレビドラマでやっていた。武田信玄の孫がお家再興をめざす。七勇士と幻術士果心居士や大鷲に乗って飛行する子供が出てくる。穴山梅雪は大河ドラマ真田丸にも出ていたが、ここでは最初の悪役ボス。2016/11/14
あんぱんな
2
武田信玄の孫・伊那丸が仲間たちとお家再興を目指すべく奮闘する冒険活劇。普段あまり時代小説は読みませんが、観に行く舞台の原作という事で読み始めました。とても面白いです!梅雪・呂床兵衛を倒し進んでいく伊那丸。これからどう立ち向かって行くのか続きが気になります。2013/04/27
すずな
2
フィクション満載の冒険活劇。舞台を先に観たのでちょこちょこ役者さんが混じります。2013/04/20
tonbei
1
吉川英治は 子供向けに何冊か書いていて、そのうちの一冊。2021/03/08